2014年05月28日

Jack Lemmon

ココナッツディスク吉祥寺店のブログ
紹介されてたレコード。


Theme From The Apartment.jpg


映画『アパートの鍵貸します』の日本盤7インチ。
当時こんなものが出てたんですね。
一瞬サントラからカットされたシングルかと思ったけど、
「主演のジャック・レモンによるピアノ演奏」という
コメントを読んで違うかなと。

A面の「Theme From The Apartment」を試聴してみると、
やはりユナイテッド・アーティスツから出ている
サントラ盤には入っていないヴァージョンだった。


The Apartment.jpg


オリジナル・サウンドトラックに収録のテーマ曲は
アドルフ・ドイッチのオーケストラによる(少々大仰な)アレンジだが、
この日本盤シングルはシンプルなウエストコースト・ジャズ風アレンジ。
都会を舞台にしたスタイリッシュな映画には
こちらの方が合いそうな感じ。

ジャック・レモン自身がピアノ演奏をしていることについては
何ら不思議ではない。
役者が売れない頃はバーでピアノの演奏などをして
生計を立てていたらしいし、
歌とピアノによるレコードもたくさん出している。
例えばこんなの。


A Twist Of Lemmon.jpg


他に『Sings And Plays Music From “Some Like It Hot”』
というタイトルのアルバムを持っているが、
歌もピアノもかなりの腕前だ。
(レーベルはエピック。上記の日本盤シングルも原盤はエピックだから、
サントラとは関係ない独自のリリースだったんだろう)

ハーバード大学の理系出身で頭脳明晰、
超一流の喜劇俳優でありながら、
クラシックやガーシュウィンをこよなく愛する
ピアニストでもあったジャック・レモン。

大好きな俳優でした。


今日のBGM:「Theme From The Apartment」by Billy Vaughn And His Orchestra

↑ビリー・ヴォーンによる『アパートの鍵貸します』のテーマ曲。

↓こちらはメキシコ盤(?)のジャケット。
数ある名シーンの中でなぜにこの場面を使うのか?


Piso De Soltero.jpg




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2014年05月24日

Pete Drake & His Talking Steel Guitar

先週の『SEIKO Hits Around The Clock』で紹介された
50年前のチャート。

1964年5月16日付 ビルボードTop 10

10位 ロイ・オービソン「It's Over」
9位 ダニー・ウィリアムス「White On White」
8位 ジャン&ディーン「Dead Man's Curve」
7位 サミー・デイヴィス Jr.「Shelter Of Your Arms」
6位 フォー・シーズンズ「Ronnie」
5位 ビートルズ「Do You Want To Know A Secret」
4位 デイヴ・クラーク・ファイヴ「Bits And Pieces」
3位 ビートルズ「Love Me Do」
2位 ルイ・アームストロング「Hello, Dolly」
1位 メリー・ウェルズ「My Guy」

先月9位だったメリー・ウェルズが大躍進。
スモーキー・ロビンソンによる曲「My Guy」で遂に1位に。
6位のフォー・シーズンズ「Ronnie」は、
ひとつ前のシングル「Dawn(Go Away)」と
次のNo.1シングル「Rag Doll」に挟まれて地味な印象を受けるけど、
改めて聴くとやっぱりすごくいい曲。
ビートルズの侵略を受けても全くブレない音楽性が素晴らしい。
そして久しぶりに登場のロイ・オービソン!
この「It's Over」で勢いをつけて
次の「Oh, Pretty Woman」の特大ヒットに見事繋げる。

この週のチャートはトップ10以下も好きな曲がたくさんあった。
ダイアン・リネイ「Kiss Me Sailor」(29位)とか、
リック・ネルソン「The Very Thought Of You」(32位)とか、
ニノ&エイプリルの「Tea For Two」(62位)とか。
96位にストーンズの「Not Fade Away」がちょこっと顔を
出したのも嬉しかった。

でも一番気になったのは52位にランクインした、
ピート・ドレイク&ヒス・トーキング・スティール・ギターの
「Forever」という曲。

何とも言えない曲の奇妙さとユルさに圧倒されて、
YouTubeで映像を観てみたら更なる衝撃を受けた。

これをモンドと言わずして何と言うんでしょう。
チューブみたいなものを口にくわえているのは、
トーキング・モジュレーター。
ヴォコーダーの元祖みたいなものだが、
スティール・ギターの音色と合わさると
古いんだか新しいんだかよく分からないサウンドになって、
まるで50年代のSF映画を観ているような不思議な気分になる。

カントリー風の白いジャケット(ヌーディー・スーツ?)を
着たバンド・メンバーの風貌や、後ろに座ってる人たち、
途中でいきなり入る男女混成コーラス隊の雰囲気など、
何から何までストレンジ!
(すでにビートルズの時代になっても、
こんな曲がヒットしてるアメリカ音楽の奥深さに目眩がする)

ピート・ドレイクについては
ジョージ・ハリスンの『All Things Must Pass』にも参加してる
有名なスティール・ギター奏者で、
前にAgainの店主・石川さんに色々と教えて貰ったことがある。
トーキング・モジュレーターもこの人が発明したとかで、
カントリー・ミュージック界の異端児と言われているらしい。

知識としては知っていたけど、
この「Forever」の映像を観て
初めてその異端さが分かった気がする。
(スティール・ギターについては石川さんのこのページ参照。
あとピート・ドレイクについては自分のこの日のブログでも書いてます)

カントリーは知れば知るほどヤバい音楽だ。


今日のBGM:「Forever」by Pete Drake & His Talking Steel Guitar


Pete Drake.jpg


posted by Good Time Graphicker at 05:19| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月19日

BAND WAGON

最近、鈴木茂の『BAND WAGON』をよく聴いている。

先週、渋谷WWW観てきた名盤再現ライヴ・シリーズ
「HMV Get Back Session」で、
このアルバムを生で体現しちゃった影響なのだが。

ここ数日のカラッと晴れた湘南の気候と、
本作に充満している埃っぽい、むせ返るようなLAの空気が妙にマッチして
聴いてて最高に気持ちいい。
今日のジョギングのBGMでもずっと流しっぱなし。

昔から大好きな盤だったけど、
今になってこんなに熱い2次ブームが来るアルバムって結構珍しいかも。

再現ライヴは本当に素晴らしかった。
あんなにかっちょええ〜ギター・プレイを満喫したライヴは
いつ以来だろうか。茂さんの声も出てたし、
田中章弘氏を始めとする新旧メンバーによる演奏も最高だった。

普通、ライヴって選曲のワクワク感が大きな魅力だけど、
アルバムを曲順通りに丸々再現するライヴはその魅力がない。
その代わりに隅から隅まで聴き込んだ懐かしいアルバムが、
目の前でリアルな音として命が吹き込まれていく過程を楽しむような
ドキュメントな興奮がある。

名盤再現ライヴ・シリーズ、これからも続けていって欲しい。

ところで、その茂さんのライヴのアンコールで
聴き慣れない曲が1曲だけ披露された。
帰ってから調べてみたら、1992年にリリースされた
『Gentle Snow』というオムニバス・アルバムから
「夜更けにベルを押す時は」という曲だった。

とても華やかなアレンジとメロディを持つ曲で、
鈴木茂という人のアレンジャーのセンス、
メロディ・メイカーぶりに改めて気付かされた。

ロックでファンキーでギター侍な
『BAND WAGON』も大好きなアルバムだけど、
実は『Lagoon』や『Caution!』といった
ライトメロウなアルバムも同じくらい好きだったりして。
(ライヴのアンコールでは「レイニー・ステイション」も演ってくれた!)

次回の名盤再現ライヴ・シリーズは
『Lagoon』でひとつお願いします!


今日のBGM:「100ワットの恋人」by 鈴木茂

↑ライヴではこの曲のクラヴィネットのギコギコしたサウンドも
うまく再現されてた。
男臭いファンキーなサウンドと、
恋人との甘い生活を描いた歌詞とのギャップが鮮烈で
昔から大好きなナンバー。

↓自分が持っている30周年記念CDはサイン入りの自慢盤。


Band Wagon.jpg


posted by Good Time Graphicker at 04:32| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする