2014年07月04日

Riki Tiki Tavi

久々にDJイベントに参加します。

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circustown.net night
『山下達郎マニアックツアー これが聴きたいぞ!! 達郎さん』特集
出演:circustown.net スタッフ
日時:2014年7月9日(水)Open:19:00 / Start:19:30
入場料:1,000円
場所:Live Cafe Again
東京都品川区小山3-27-3 ペットサウンズ・ビル 地下1F
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フライヤーを作ってみました。

CT Event Flyer.jpg

クリックすると大きく見られます。


読んで頂くと分かりますが、
ポップスのウェブマガジンcircustown.netが主催するDJイベントです。
“山下達郎マニアックツアー”が7月25日に初日を迎えますが、
それを前にして皆でワイワイガヤガヤ盛り上がろうという趣旨です。

第1部ではペット・サウンズ店長の森 勉さんをゲストにお迎えして、
マニアックツアーではこんな曲を演るんじゃないか、
またはこんな曲を演って欲しい!というテーマで、
達郎さん関係の曲をかけまくり。

第2部ではラジオ『サンデー・ソングブック』で
放送されたプログラムをお題にして、
大喜利形式で盛り上がる(予定の)DJコーナーです。
こちらは洋楽邦楽なんでもありの「棚つか選曲」です。
僕はこの2部のみ参加予定です。

そろそろW杯も終わるし、
まだまだ梅雨は開けそうじゃないし…
とテンション低めの皆さん、
夏本番を前に一緒に盛り上がりましょう!


今日のBGM:「夏への扉」by 山下達郎

↑この曲は大好きだけど、
ライヴではそんなにやらない感じっすかね?
(ライヴ選曲におけるマニアック度数がイマイチ分かってない…)

ちなみにこの曲の歌詞に出てくる
“リッキー ティッキー タビー”とは、
ロバート・A・ハインラインの小説『夏への扉』で
主人公が親友の義理の娘リッキーに手紙を書く時の呼びかけだそうだけど、
ちょっと前のブランディンのイベントで、
ドノヴァンに「Riki Tiki Tavi」という曲があるのを知った。

その歌詞にはこういう一節が出てくる。
Everybody who read the Jungle Book,
A-know that Riki Tiki Tavi's a mongoose who kills snakes.
(『ジャングル・ブック』を読んだ人なら誰でも
“リッキー ティッキー タビー”が蛇どもをやっつける
マングースのことだと知っている)


へえ〜、“リッキー ティッキー タビー”って
『ジャングル・ブック』に出てくるマングースのことだったんですね。
『夏への扉』の主人公は、その面白い語感を使って
親友の義理の娘を楽しませていたわけか。

posted by Good Time Graphicker at 20:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月01日

I Get Around

一昨日の湘南ビーチFM
『SEIKO Hits Around The Clock』で紹介された
50年前のチャート。

1964年6月27日付 ビルボードTop 10

10位 ディオンヌ・ワーウィック「Walk On By」
9位 ビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタス「Bad To Me」
8位 レイ・チャールズ・シンガーズ「Love Me With All Your Heart」
7位 ジェリー&ザ・ペースメイカーズ
「Don't Let The Sun Catch You Crying」
6位 ジョニー・リヴァース「Memphis」
5位 バーブラ・ストライサンド「People」
4位 ミリー・スモール「My Boy Lollipop」
3位 デキシー・カップス「Chapel Of Love」
2位 ビーチ・ボーイズ「I Get Around」
1位 ピーター&ゴードン「World Without Love」

ディオンヌ・ワーウィックやバーブラ・ストライサンド、
ゴーゴー男のジョニー・リヴァースなど
新顔が多く入ってきたけど、
相変わらずブリティッシュ勢が強いチャート。
ビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタスの「Bad To Me」は
ジョン・レノンの曲で、
ピーター&ゴードンの「World Without Love」は
ポール・マッカートニーの曲なので、
ビートルズが全くいないTop10ながらも
レノン&マッカートニーの支配下にあるチャートだと言ってもいい。

ベスト3のラインナップが素晴らしい!
デキシー・カップスの「Chapel Of Love」は
前週、前々週と2週に渡ってNo.1を穫った後の3位。
逆にビーチ・ボーイズの「I Get Around」は
10位→3位→2位と順調に上り詰めてきた。
ピーター&ゴードンの「World Without Love」も
7位→2位→1位で遂にトップをゲット。
エリー・グリニッチとブライアン・ウィルソンと
ポール・マッカートニーという
才能ある若き作曲家たちの熾烈な攻防に胸が熱くなる。
(これぞ1964年のチャート!)

ところで、
夏の一歩手前のこの時期に
ビーチ・ボーイズの「I Get Around」が
ヒット・チャートに登場する瞬間て
どんな感じだったんだろう?

ふとそんな疑問が湧いたので、
ボブ・グリーンの『十七歳』を久々に読み返してみる。
すると上巻(『1964春』)の245ページにこんな記述があった。


1964年6月2日
数学の最終試験には反吐が出る。
歴史とフランス語はOK。
試験を終えて学校を出ると、
ミリタリー・スクールからもどってきたばかりのアレンが
カシンガム通りに車を停めて待っていた。
彼が戻ってきて気分は最高。
ABCDJがまたそろったことで、僕は、
夏がすぐそこまでやってきていることを実感した。
午後はみんなで彼の車に乗ってベスクリーじゅうを走りまわった。
ビーチ・ボーイズが、最高にいかすニュー・ソングを歌っていた。
タイトルは『アイ・ゲット・アラウンド』。
これぞ正真正銘のサマー・ソングだ。
WCOLは、僕らが車でドライヴしているあいだにその曲を二度かけた。
明日の期末試験で、今年度の学校はすべて終了する。

ボブ・グリーン『十七歳』 井上一馬 訳



なるほど
「I Get Around」はこういうシチュエーションで聴かれたのか。
期末試験が終わって、夏休みに入る直前の
あのウキウキした瞬間に登場するビーチ・ボーイズの新曲。
最高のタイミングだ。

ちなみにこの『十七歳』は
アメリカのコラムニスト、ボブ・グリーンが
17歳の時につけていた日記をもとに書き上げた小説で、
1964年のアメリカの地方都市(オハイオ州コロンバス)で過ごす
17歳男子のライフスタイルが生々しく綴られている。

今回このブログを書くにあたって
ページをパラパラと捲っていたら、
サーチャーズの「Needles And Pins」やら
フォー・シーズンズの「Rag Doll」やら
スキーター・デイヴィスの「I Can't Stay Mad At You」やら
ブルース&テリーの「Summer Means Fun」やらが
物語の中に次から次へと登場して、
クラクラと目眩がしてしまった。


今日のBGM:「Mixed Up, Shook Up Girl」by Patty & The Emblems

↑今回のチャートで85位に登場した
すごく気に入ったナンバー。
レオン・ハフ作曲によるフィリー・ムード満点のアーリー・ソウル。
どうやらニュージャージー出身のグループで
この1曲しかヒットがないらしい。


Patty & The Emblems.jpg


posted by Good Time Graphicker at 03:53| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月26日

Keeping The Faith

先週、CRTのビリー・ジョエル特集に
参加してきてからというもの、
ビリー・ジョエルのアルバムばかり聴いている。

久々に『An Innocent Man』を聴いたら
もうめちゃめちゃ楽しくて、
毎日夢中になって音楽をむさぼり聴いていた
中学生の頃に戻ってしまった。

このアルバムのライナーには
ビリー本人による解説が付いていて、
それぞれの曲のネタがあっけらかんとバラされている。

例えば…
「Easy Money」→ジェイムズ・ブラウンのソウル・レヴュー
「An Innocent Man」→ベン・E・キング「Spanish Harlem」
「The Longest Time」→ザ・タイムス「So Much In Love」
「This Night」→リトル・アンソニー&ジ・インペリアルズ
「Tell Her About It」→ザ・シュープリームス or
マーサ&ザ・ヴァンデラス
「Uptown Girl」→ザ・フォー・シーズンズ
「Careless Talk」→サム・クック「Chain Gang」等々。

このヒネリのない大ネタ使いのせいで、
ビリーがマニアから甘く見られているという意見もあるようだが、
当時15歳の中坊にとっては
この屈託のない分かりやすさが有り難かった。

このアルバムの楽しさの根源を辿るべく、
アメリカン・ポップスの泥沼(?)にズブズブと足を踏み入れたのだから、
本作はまさに自分の原点と言ってもいい。

ところで、
昔からB面の4曲目「Leave A Tender Moment Alone」が大好きで、
トゥーツ・シールマンスの切ないハーモニカがフェイドアウトする度に
この曲が最後だったらいいのにといつも思っていた。
ところがB5には、あまりラストにはふさわしくない曲調の
「Keeping The Faith」という曲が収まっている。

しかし今回「Keeping The Faith」の歌詞を読んでみて、
この曲がアルバム全体のテーマになっていることに気づいた。
もう少し詳しく言い換えると、
なぜ80年代にこんなノスタルジーに溺れていると思われるような
アルバムを作ったのか、その意思表明になっている。
だからアルバムのラスト・ナンバーとして
この曲は必然だったのだ。

「Keeping The Faith」の歌詞の最後の一節が
痛烈に心に染みたので抜粋しようと思う。


古き良き時代はいつも良かったわけじゃない
それに明日だって思っているほど悪くない
今までの僕の人生はこんなものさ
さあ 表に出かけていって
木陰でよく冷えたビールでも飲もう
45回転シングルでも聴くとしようか
ロックン・ロールを聴いていると
生きていることがとても素晴らしく感じる
そして 想い出はいつも鮮やかだ Yeah
僕は誓いを守り続ける
僕は誓いを守り続ける
そうさ
僕は誓いを守り続ける
いつまでもね……



今日のBGM:「Keeping The Faith」by Billy Joel


An Innocent Man.jpg


posted by Good Time Graphicker at 03:20| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする