(つまらないつまらないと散々ボヤいているくせに
テレビの話題が多いなというツッコミは無しで)
やったネタは
「もしも奥田民生が「お風呂」という曲を作ったら」。
このネタは佐野元春で有名なはずだが、
そうか、色々なミュージシャンのヴァリエーションがあるのか。
奥田民生の曲っぽく見せるのには次のポイントがあるという。
1.韻を踏むこと。
2.何か言いたいことがある様に見せかけて、
結局は何を言いたいのか分からないエンディングにすること。
マジックと同じで、
実際にはこういうネタの種明かしはやらないのが普通だと思うが、
ネタを見せる前にバラしてしまうのが芸として巧妙だと思った。
(客はポイントを押さえて見るから笑いやすい)
マキタスポーツの芸を最初に見たのは
前述した佐野元春の「お風呂」だったが、
見た瞬間「ああ、この人は佐野さんの音楽を心底好きなんだな」と思った。
例えば清水ミチコのモノマネと同じように、
対象者への愛情が芸に滲み出ているのだ。
だから見ていても嫌な感じが全くしない。
昨年だったか、
雑誌『SPA!』の「エッジな人々」というコーナーで
(最近達郎さんも出てましたね)
佐野さん本人とマキタスポーツの対談があった。
それを読んでこのマキタスポーツという人の、
佐野さんの音楽やポップスへの理解度が半端じゃないことに驚いた。
うろ覚えだが確か「僕にとって佐野さんはファンタジーなんです」
という表現をしていたような気がする。
それは佐野元春という才能やキャラクターが
一般の人からすると少々現実離れして見えるということだけではなくて、
佐野さんが作っている音楽そのものが(彼にとっては)ファンタジーなのだ
とも言っていると、僕は理解した。
現代の世知辛い世の中で聴かれているリアル(風)な音楽とは決定的に違って、
80年代に自分たちが聴いていた音楽って
ほとんどが非現実的な夢のような世界だった気がする。
例えリアルについて歌った佐野さんのロックでさえ。
あの時代のそういった音楽を散々聴きまくっていた自分と同じ感覚が
マキタスポーツのその言葉には感じられて、
何だか少し嬉しかったのだ。
今日のBGM:「バルセロナの夜」by 佐野元春
↑この詞の冒頭には湖が出て来るけど、
実際にはバルセロナに湖は無いんだってね。
高校時代の自分は"バルセロナの湖"を完璧に頭に思い描いて聴いていた。
つくづくポップスはファンタジーだなと思う。

