2011年09月14日

Makita Sports

久々に『あらびき団』を見ていたら、マキタスポーツが出ていた。
(つまらないつまらないと散々ボヤいているくせに
テレビの話題が多いなというツッコミは無しで)

やったネタは
「もしも奥田民生が「お風呂」という曲を作ったら」。

このネタは佐野元春で有名なはずだが、
そうか、色々なミュージシャンのヴァリエーションがあるのか。

奥田民生の曲っぽく見せるのには次のポイントがあるという。
1.韻を踏むこと。
2.何か言いたいことがある様に見せかけて、
結局は何を言いたいのか分からないエンディングにすること。

マジックと同じで、
実際にはこういうネタの種明かしはやらないのが普通だと思うが、
ネタを見せる前にバラしてしまうのが芸として巧妙だと思った。
(客はポイントを押さえて見るから笑いやすい)

マキタスポーツの芸を最初に見たのは
前述した佐野元春の「お風呂」だったが、
見た瞬間「ああ、この人は佐野さんの音楽を心底好きなんだな」と思った。
例えば清水ミチコのモノマネと同じように、
対象者への愛情が芸に滲み出ているのだ。
だから見ていても嫌な感じが全くしない。

昨年だったか、
雑誌『SPA!』の「エッジな人々」というコーナーで
(最近達郎さんも出てましたね)
佐野さん本人とマキタスポーツの対談があった。

それを読んでこのマキタスポーツという人の、
佐野さんの音楽やポップスへの理解度が半端じゃないことに驚いた。
うろ覚えだが確か「僕にとって佐野さんはファンタジーなんです」
という表現をしていたような気がする。

それは佐野元春という才能やキャラクターが
一般の人からすると少々現実離れして見えるということだけではなくて、
佐野さんが作っている音楽そのものが(彼にとっては)ファンタジーなのだ
とも言っていると、僕は理解した。

現代の世知辛い世の中で聴かれているリアル(風)な音楽とは決定的に違って、
80年代に自分たちが聴いていた音楽って
ほとんどが非現実的な夢のような世界だった気がする。
例えリアルについて歌った佐野さんのロックでさえ。

あの時代のそういった音楽を散々聴きまくっていた自分と同じ感覚が
マキタスポーツのその言葉には感じられて、
何だか少し嬉しかったのだ。


今日のBGM:「バルセロナの夜」by 佐野元春

↑この詞の冒頭には湖が出て来るけど、
実際にはバルセロナに湖は無いんだってね。
高校時代の自分は"バルセロナの湖"を完璧に頭に思い描いて聴いていた。
つくづくポップスはファンタジーだなと思う。


Heart Beat.jpg


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2011年09月05日

Les Demoiselles de Rochefort

松田聖子と小泉今日子の共演が話題となっている
化粧品のCMを見た。

「衝撃の出会い」っていうコピーだけど、
80年代の二大巨頭アイドルのCM初共演よりもずっと大きな衝撃なのが、
使われている音楽がミシェル・ルグランによる
『ロシュフォールの恋人たち』のテーマ・ソングだったことだ。

これ以上ないドラマティックかつゴージャスなサウンドに
耳が釘付け(そんな言葉ない?)になった。
んー、やっぱりこの頃のルグランの音楽には才気が迸っている。
たった30秒のCMでこの存在感。

でもやっぱり
この曲に日本人と東京の風景は似合わないなぁとも思う。

『ロシュフォールの恋人たち』を数え切れないくらい観ている
自分のようなジャック・ドゥミ・ファンにしてみれば、
この曲を聴くと条件反射で
本編のあの素晴らしいオープニング・シーンが頭に浮かんで来る。

当然のことながら
映画音楽はもともと映像とセットになっているので、
その音楽だけを切り離してCMなどに二次使用することは結構難しい。
有名な映画のテーマ曲であればあるほど、
往年のファンから反感を買う恐れもあるし。

まあそれでも、
何かを期待して見ることが全くなくなった昨今のテレビから、
ルグランの音楽がふと流れてくるような驚きやささやかな幸せは
個人的には歓迎したいと思う。

『ロシュフォールの恋人たち』と言えば、
大学の頃に同じクラスの女子を誘って
リヴァイヴァル上映を観に行ったことがある。

グランジなどの当時最先端のロックが好きだった彼女は、
あの映画の空気感とか音楽には全く興味なさそうだったことを思い出す。
(↑90年代渋谷系文化系男子の陥りやすい典型的な失敗)


今日のBGM:「Chanson Des Jumelles」by Michel Legrand

↑全ての渋谷系音楽リスナーがそうだったように、
ミシェル・ルグランによる『ロシュフォールの恋人たち』のサントラは
当時聴きまくった。
その中でいつも一番人気だったのがこの「双子姉妹の歌」。


Les Demoiselles De Rochefort.jpg


posted by Good Time Graphicker at 03:59| TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月26日

Green Tambourine

『秘密のケンミンSHOW』で流れた
サイケな曲のタイトルとアーティスト名がなかなか思い出せないでいたら、
さっき風呂場で急に思い出した。

レモン・パイパーズの「Green Tambourine」だ。

"静岡では緑茶ハイのことを「静岡割り」と呼ぶのが定番"
というウンチクが語られている時に、
一瞬だけ流れたのがこの曲だった。

「緑茶→グリーン→Green Tambourine」ということなのだろう。
この単純な連想に気付けば、すぐにレモン・パイパーズだと思い出せたのに。

この番組をついつい観てしまうのは
別に県民ネタやご当地食材の情報を仕入れたいわけではなくて、
あまりにも細かくて誰も気付かないと思われるダジャレ的選曲の妙技と、
「連続転勤ドラマ 辞令は突然に」に出演している東はるみ役の女性が
頻繁に見せる(お約束の)驚いた顔に何となく惹かれているからなのだが、
そんなことはどうでもよくて…。

レモン・パイパーズの「Green Tambourine」を聴くと、
小さい頃を思い出して懐かしい気持ちになる。

それは小さい頃にこの曲をよく聴いていたからではなく、
この曲に似た原田真二の「Rainbow Color」という曲を
よく聴いていたからだ。

キハーダ(時代劇や演歌でよく使われる「カーッ!」と鳴る楽器)などを
効果的に使ったサイケな「Green Tambourine」のイントロ部分のアレンジを
「Rainbow Color」ではかなりそっくりに再現しているのだが、
(フリッパーズよりもちょうど一世代早い!)
10代の初めの頃、その中東的で幻想的なサウンドを聴いて
ワクワクしていたのを思い出す。

当時は中期ビートルズ風だと思っていたけど、
後にレモン・パイパーズを聴いて、ああこれが元ネタだったのかと。

さっきレコードを引っぱり出して調べてみたら、
この曲が入っているアルバム『Natural High』(1979年)はLA録音で、
本人のキーボードとギター以外は全て外国人ミュージシャンだった。
アレンジは全て原田真二。
しかも当時、彼はまだ21歳!(天才としか言いようがない)

原田真二は自分の小学生の頃のポップ・アイドルだったけど、
当時はCharや世良公則&ツイストと共に"ロック御三家"なんて呼ばれてた。
これには幼いながらも何となく違和感を感じてたなぁ。
(だってレモン・パイパーズなどのバブルガム・ミュージックを
誰もロックなんて言わないでしょう!?)


今日のBGM:「Sweet Baby」by 原田真二

↑この曲も大好きだった。
同時代のビリー・ジョエルあたりからの影響大。
アイドルからの脱却を図った2ndアルバム『Natural High』から
シングル・カット・ナンバー。


Natural High.jpg


posted by Good Time Graphicker at 03:59| TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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