今更だけど、この人は面白い詞を書くなぁ。
今の時代の空気感にすごく合った表現者だとも思った。
皆が聴くのも分かる気がする。
ところでこの番組もシーズン4を迎えたが、
4年目の今シーズンから密かに期待していたことがあった。
それは言葉ではなくて、
“メロディ”をテーマに対談をして欲しかったということ。
毎回、日本で指折りのメロディ・メイカーをゲストに呼んで、
作曲方法や、自分の書くメロディがどこから影響されたかを
佐野さんとの対談で語って欲しいのだ。
佐野元春は詩人であるが、
屈指のメロディ・メイカーでもあるわけだし、
何よりも『ザ・ソングライターズ』というタイトルの番組で
詞のことだけしか語らないなんてあまりにも片手落ちだ。
もちろん、“メロディを語ること”がテレビ向きじゃないことは
十分に理解している。
コード進行や音楽理論の話も多くなり、
素人には分からない難しい内容になってしまうかもしれない。
絶対的な“言葉”と比べると随分と曖昧な、
実態のない“メロディ”のことをいくら紐解いても、
宙をつかむような話になる可能性だってある。
それに“良い詞”にはすぐに共感できるが、
“メロディ”に対しては、聴いた人の世代や経験や理解度などによって
それぞれの反応があって、共通した感情を持ちにくいということもある。
すぐに答えが出ない曖昧なことほど、
メディアと相性が悪いものはない。
それでもいつか果敢に挑戦してもらいたい。
自分は小学生の時から洋楽を聴き始めて、
歌詞の意味なんて分からずに元気づけられたり嬉しくなったりした。
もちろんサウンドやリズムによっても感情を動かされたと思うが、
生ギター1本で歌われたフォーク・ナンバーでも
感動してたりしていたわけだから、
やはり主にメロディに感化されていたのだと思う。
訳もなく胸が切なくなったり、
意味もなく勇気が沸いてきたり、
押さえ切れないほどワクワクさせてくれた
あれやこれやのメロディが、
どこからやってきて、どうやって作られているか、
まだ自分は全く理解できていない気がする。
その秘密を知りたくてしょうがないのだ。
今日のBGM:「At Seventeen」by Janis Ian
↑小学生の低学年くらいの頃から、
何となく“メロディだけで”好きだった曲。
聴くだけでいつも胸が締め付けられるような思いをしていたから
てっきり悲しい失恋の歌だとずっと思っていたけど、
大人になって歌詞の意味を調べたら
恋すら経験できない不器用で地味な女の子の歌と知って驚いた。
(そしてますますこの歌を好きになった)

