2014年03月19日

Ron Holden

最近の『サンデー・ソングブック』では
ワーナーの「ブリティッシュ・ビート50周年記念
紙ジャケット・コレクション・シリーズ」
が大好評で、
ハーマンズ・ハーミッツとかホリーズとかマンフレッド・マンがよくかかる。

聴いていると嬉しいやら羨ましいやらで
お金が有り余っていたら全タイトル大人買いしたいくらいだけど、
ブリティッシュ・ビートは今の若い人たちにも結構人気で
ほっといてもそこそこ売れると思うので、
ここでは昨年リリースされた「Masters Of POP 1000 Best Collection」
シリーズから(人気のない)オールディーズの名盤を
ひたすら紹介し続けることにする。

今日はロン・ホールデンの『Love You So...』
(WPCR-27804)をピックアップ。


Ron Holden.jpg


1960年にデル・ファイの姉妹レーベル、ドナからリリースされた
ロン・ホールデン唯一のアルバム。
全米7位を記録したタイトル曲「Love You So」については
この日のブログでたっぷりと書いたから省略するけど、
アルバム全体としても聴きどころが多かった。

「Love You So」にハマった人ならば、
「Here I Come」や「True Love Can Be」も朴訥とした味わいで
好きにならずにはいられないナンバー。
でもそれ以上に最高だったのは「Gee, But I'm Lonesome」と
「Let No One Tell You」の2曲だった。

2曲ともフラミンゴスなどを彷彿させるような
ドリーミーなドゥ・ワップ・バラード。
どちらもプロデューサーのブルース・ジョンストンが作曲に絡んでいて、
裏ジャケのクレジットを見ると
Orchestrated & Conducted by Bruce Johnstonとも記されている。
この夢見心地な素晴らしいアレンジも彼の仕事なのだろうか。
(当時ブルースはなんとまだ18歳!)

ローカル・ヒットしたロン・ホールデンの
「Love You So」を聴いて彼を引き抜いて、
ブルース・ジョンストンと組ませたのは
デル・ファイ・レーベルのオーナー、ボブ・キーンだったそうだが、
この人も実に興味深い人だ。

もともとクラリネット奏者だったが、
ギリシャ人のビジネスマンとキーン・レコードを発足。
キーンからはほとんど棚ボタのかたちで
サム・クックの「You Send Me」が大ヒットしたが、
その後ギリシャ人と決裂して自身のレーベル、デル・ファイを始める。
(Del-Fiという名前はギリシャ神託のDelphiからとったそうだ)

デル・ファイの第1弾がリッチー・ヴァレンスで、
そのヒット曲「Donna」を冠したサブ・レーベル、ドナの
第1弾がこのロン・ホールデンだった。

ボブ・キーンってちょっと山師というか、
胡散臭いところもあるようにも見えるけど、
リッチー・ヴァレンスにしろロン・ホールデンにしろ
ちゃんと当てて(ヒットを出して)いるわけだから
耳とセンスは良かった人なんだろうな。


今日のBGM:「Gee, But I'm Lonesome」by Ron Holden

↑ブルース・ジョンストンの手による(恐らくピアノも彼)
メランコリックなバラード・ナンバー。
「Susie Jane」のB面としてシングル・カットもされた(1960年)。

↓ドナのレーベル・デザインはポニーテールの女の娘のシルエット。
映画『ラ・バンバ』に出て来るリッチー・ヴァレンスの彼女“ドナ”も
ポニーテールの可愛い娘だった。


Gee, But I'm Lonesome.jpg


posted by Good Time Graphicker at 05:20| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月09日

The Bobby Darin Story

ワーナーの「Masters Of POP 1000 Best Collection」シリーズから、
ボビー・ダーリン『The Bobby Darin Story』(WPCR-27802)を聴く。


The Bobby Darin Story.jpg


1961年にアトコからリリースされたボビー・ダーリンのヒット曲集。
初期の有名なヒット曲はほぼ入っていて、
個人的にも昔からよく聴いていた愛着のある1枚。
(ただ自分が持っているのは黒いジャケットのステレオ盤。
今回の再発でモノ仕様の別ジャケットがあるのを初めて知った)

なんと初めと中盤と終わりの数回に渡って、
曲の頭にボビー自身の語りが入る。
アルバム・タイトルにあやかって、
これまでの成功へのストーリーを自ら語るというコンセプトなのかな。
曲によっては語りがイントロにカブっていてちょっと邪魔なのだが、
(伝記映画を観た時にも感じた)上昇志向の強そうな感じとか
自信に満ち溢れたイメージとかが
こういうところにも表れている気がする。

確か大瀧さんの『アメリカン・ポップス伝』でも
触れられていたと思うけど、
この人めちゃめちゃ歌が上手くてどんなジャンルでも歌えるから、
アトコから再デビューする際にどういう方向性でいくか迷ったらしい。
結局ジェリー・リー・ルイス風の自作「Splish Splash」で
初の大ヒットとなるわけだけど、本作でも
「Dream Lover」=ポール・アンカ風
「Bill Bailey」=エルヴィス風
「Early In The Morning」=レイ・チャールズ風
(この曲はバディ・ホリーのヴァージョンもある)などなど、
サウンドのヴァリエーションも含めて、聴いていて実に楽しい。

そして1959年の「Mack The Knife」で
遂に敬愛するシナトラ・スタイルで記録的な大成功を収めると
しばらくはジャズ・ヴォーカル風で落ち着くものの、
60年代中盤には一転フォーク・シンガー風なヒットを放ったりもして、
ジャンルレスなポップ・シンガーとして
つくづく希有な存在だと思う。

でもその器用貧乏(?)なせいもあって、
今から顧みると全体像の輪郭がはっきりしないということが、
(もちろん37歳の若さで亡くなってしまったことも大きいが)
後世への影響力という点でかなり損をしているような気もする。
特に日本では現在ほとんど語られなくなった。
ヴォーカリスト、ソングライター、エンターテイナーとして
すごい才能だと思うんだけど…。

そう言えば、
ボビー・ダーリンの伝記映画『ビヨンド the シー 〜夢見るように歌えば〜』
銀座の劇場に観に行った時、
とある老夫婦が映画館の受付の人に詰め寄って
「このボビー・ダーリンってどんな人? 有名なの?
この映画、面白いの?」と質問攻めにしてたのを覚えてる。
映画館の人も「さぁ…」と首を傾げて困りきってたなぁ。

フォー・シーズンズの映画『Jersey Boys』が
そうならないことを祈るばかり。


今日のBGM:「Mack The Knife」by Kevin Spacey

↑その『ビヨンド the シー 〜夢見るように歌えば〜』から
ケヴィン・スペイシーによる成り切りボビー・ダーリンの様を。
「Mack The Knife」の途中に出て来る「Eeek!」という
叫び声をケヴィン・スペイシーが完璧に
自分のものにしてるのが分かる。
一応こちらが本物。(ケヴィンと比べるなら、
そこそこ歳をとったボビーの方が良い)

考えてみると、
どんなジャンルでも歌える器用なボビー・ダーリンを、
カメレオン俳優と言われる器用なケヴィン・スペイシーが
興味を持つのも分かる気がする。
2人とも小さい頃にホウキをマイク代わりにして
(ボビーはシナトラを、ケヴィンはボビーを)真似して
歌ってたというから、さすがにハマりっぷりも堂に入ってたわけだ。


Beyond The Sea.jpg


posted by Good Time Graphicker at 05:09| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月04日

Ritchie Valens

先月のイベント『銀次の部屋』の帰り道、
宮治さんがふと「今日はバディ・ホリーの命日なんだよね」と呟いた。
毎年2月3日にこのことに想いを馳せる日本人が
一体どれだけいるのだろうか…(さすがはお墓参りまでした人だ)。

そんな宮治さんが昨年ワーナーからリリースした
「Masters Of POP 1000 Best Collection」シリーズの1枚、
リッチー・ヴァレンスの『Ritchie Valens』(WPCR-27801)を聴いた。

今から55年前の1959年2月3日、
若干17歳のロックン・ローラー、リッチー・ヴァレンスが
バディ・ホリー、ビッグ・ボッパーと共に
飛行機事故でこの世を去った。
本作は彼がデル・ファイ・レーベルに残した
唯一のオリジナル・アルバム(1959年)。


Ritchie Valens.jpg


リッチー・ヴァレンスは、大昔に買ったGUEST STARという
怪しいレーベルから出た編集盤を1枚持っているだけだったから、
このデル・ファイのオリジナルは初めて聴いた。

「La Bamba」も「Donna」も「Come On Let's Go」も、
有名なヒット曲は全部入ってる。
ほとんどが1分〜2分ちょいの長さ、全部でたった25分のアルバムだが、
プリミティヴなロックン・ロールと
無垢なバラードがバランス良く収録されていて、
夢と希望に満ち溢れた17歳の眩しさがパッケージされている。

上記のヒット・ナンバーはもちろん、
死後に発表されてヒットした「That's My Little Suzie」
(エヴァリー・ブラザーズの「Wake Up Little Susie」の
アンサー・ソングと思いきや、綴りが違った)、
囃子言葉ロックン・ロール「Dooby Dooby Wah」など、
オリジナル曲が最高にカッコ良くて、
つくづく才能ある若者だったんだなぁと思う。

興味深かったのが「Bluebirds Over The Mountain」が
入っていたことだ。この曲はロカビリー・シンガーの
アーセル・ヒッキーが書いて1957年にヒットさせたが、
ビーチ・ボーイズが1968年にシングルでリリースした曲としても有名だ。
地味な曲にも拘らずUKで33位まで上昇した。

調べてみたら、この曲はブルース・ジョンストンがソロで
発表するつもりだったが、カールが興味を持ってくれて
ビーチ・ボーイズとして仕上げたそうだ。
ブルース・ジョンストンはもともと
デル・ファイのプロデューサーだったから、
このリッチー・ヴァレンスのレコーディングが記憶に残っていて、
10年後に取り上げたのかもしれない。

リッチー・ヴァレンスのヴァージョンは
エコーが効いたちょっとレイジーな仕上がりでなかなか良い。
どことなくスペクターっぽい音像だと思ったら、
本作はゴールド・スター録音だった。どうりで。


今日のBGM:「We Belong Together」by Los Lobos

↑本アルバムにも入ってるロバート&ジョニーのカヴァー
「We Belong Together」をロス・ロボスのヴァージョンで。
映像はヴァレンスの生涯を描いた伝記映画『ラ・バンバ』から。

1987年に公開されたこの映画を高校の時に劇場に観に行った。
ロス・ロボスの「La Bamba」が全米No.1を穫って大ヒットした映画だけど、
数あるロック系伝記映画の中でも特に優れた作品だと思う。
(正直『バディ・ホリー・ストーリー』よりも断然思い入れが深い)
電話ボックスの中でギターを弾きながら最愛の彼女ドナに
自作曲「Donna」を聴かせるところや、
事故の報道をラジオで聴いて家族が呆然とするラスト
(サント&ジョニーの「Sleepwalk」が流れる!)など、
印象的なシーンがいっぱいあった。
(ドナ役の女優が可愛かったなぁ)


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