2013年01月16日

Their Satanic Majesties Request

音楽三昧の連休だった。

日曜日は昨年の暮れに知りあった逗子のIさんと、
鎌倉の長谷に住むOさんとの新年会。
目の前に海が広がるOさんのマンションにレコードを持ち寄って、
好きな曲を次々にかけていくというマラソン鑑賞会を開催した。

Iさんは「パイド・パイパー・デイズ」シリーズの一環として
リリースされたばかりのザ・マッチや、
シェルビー・フリントのシングルなどをかけてくれたし、
僕も相変わらず節操無い感じで色々とかけたが、
やはり今回の主役はUK物の鬼コレクターであるOさんのコレクションだ。

フーやキンクス、スモール・フェイセズ、マンフレッド・マンなどの
英ビート・グループのオリジナル・シングルはもちろん、
ニック・ドレイクやドノバンなどのSSW、
デイヴィ・グラハムやバート・ヤンシュなどのトラッド系の
オリジナル・アルバムまできれいに揃えているのには驚いた。

自分のような安物買いの音楽ファンにしてみれば、
「この棚全部でおいくら万円?」と溜息が出てしまったが、
自慢気な雰囲気など一切醸し出さないで
「僕、UKレコードそのものが好きなんですよね」と静かに語る
Oさんの美意識に、なんとなく共感してしまう自分もいる。

アメリカ盤のような粗雑な印刷や貼りズレは一切無く、
工芸品のように端正に折り返されているE式のジャケット。
しかも表には鏡のように美しいコーティングが施されている。
そんなUK盤はパッケージが美しいだけではなく、
音も実にファットだったのだ。
今回、Oさんのコレクションをひたすら聴いてみて、
イギリス録音のサウンドのボトムの強さに改めて驚いてしまった。
特にベースの音のデカさ! あれってなぜなんだろう?

それにしても自分が住んでる腰越から江ノ電でたった数駅のところに、
こんなUK盤コレクターが住んでいたとは!
(これからもちょくちょく聴きに行っていいっすか!?)

夜は3人で鎌倉の沖縄料理店で飲み。
最初は普通に音楽の話をしていたが、
徐々にスピリチュアル系の話から昨今の日本のことや政治まで
話題は脱線し続け…
気が付けば深夜の134号線を家まで歩いて帰っていた(トホホ)。

翌日は辻堂の音楽仲間の(昨日とは別の)I氏の家へ遊びに行く予定だったが、
朝起きてみると窓の外は横殴りの大雪。
こりゃ中止だろうとパソコンを開くと、
「予定通り14時に辻堂駅で待ってます」とIさんからメールが。
考えてみればIさんは北海道の帯広出身で、
この程度の雪、屁でもないのだろう。

しかし結局JRが止まっていたので
江ノ島までIさんに車で迎えに来てもらい、
御宅にお邪魔して最新のモノシステムで
お薦めのレコードをたくさん聴かせて頂く。
奥様の作る美味しい夕飯をご馳走になって帰り際に外へ出たら、
雪はとっくに止んで空には星が瞬いていた。


今日のBGM:「She's A Rainbow」by The Rolling Stones

偶然にも、1日目のOさん宅でも2日目のIさん宅でも
ストーンズの『Their Satanic Majesties Request』を聴かせて頂いた。
オリジナルUKモノ盤のマトリックス番号が若い盤で聴くこのアルバムは
サウンドギミックの生々しさが尋常じゃなくて、
想像していたよりもはるかに刺激的だった。

↑この曲のニッキー・ホプキンスが弾くイントロのピアノの
キラキラ感にやられまくりで、昨日からずっと頭に鳴り響いてる。


Their Satanic Majesties Request.jpg


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2012年12月31日

Day By Day

クリスマスが終わってからの1週間が、
例年のように超特急で過ぎ去っていった。

突然奥歯が欠けて歯医者に行ったり、
映画を観たり(『ルビー・スパークス』、今いちノレなかった)、
年賀状を書いたり、長い間手を付けていなかった原稿仕事を仕上げたり、
そして今日、部屋の大掃除をようやく終えて、
今年最後のブログ更新をすべく
パソコンの前に座っている。

今年1年を振り返ってみると、
旧友や過去に親密だった人たちと
やたらと再会を果たした1年だったような気がする。

まず今年初めに大学の友人2人と10年振りくらいに飲んだし、
夏にはcircustown.netの再会&再開があった。
高校時代に千葉の船橋美術学院に通っていた時の悪友から
突然電話を貰ったりもしたし、
葉山に住んでいるという前の会社の同僚から仕事を頼まれ、
逗子の居酒屋で打ち合わせを兼ねて久々に飲んだりもした。
更にこのブログで中学生の時の担任の話を書いたら、
今ではその担任が校長を務めているという
中学校の同窓会の通知が来たりもした。

このくらいの歳になると皆、
ふと人生の踊り場に立ち止まり、
今まで脇目もふらず登ってきた階段を振り返って
それまでの人間関係を色々と思い出してみたくなるのかな、
なんて思ったり。

今までの自分は、
あまり後ろを振り返らずに
前だけを向いて走りたいなんてカッコつけて思っていたけれど、
やはり過去に一度でも築き上げた友好関係は
できるだけ大事にしたいと最近は思うようになってきた。

これも歳のせいなのだろうか。

歳のせいと言えば、
毎年、年末年始に実家に帰るという行為も
30代くらいまでは何の感慨もなくただの形式ばったものと
淡々と行なってきたが、
最近は特別な意味合いを抱くようになってきた。

両親とあと何回一緒に紅白を見て
正月を過ごせるだろうかと考えると、
この時期の帰省がとても重要なことのように思えるのだ。

先日読んだ平川克美氏の『俺に似たひと』という本の影響もあってか、
今年の帰省は一段と感傷的な感慨を含むものとなりそうだ。

というわけで、明日から帰省します。

今年も1年、お付き合い有難うございました。


今日のBGM:「Day By Day」by The Four Freshmen

↑Brandinのクリスマス・パーティ恒例のお土産、
宮治さん選曲によるCD-Rに入っていたナンバー。
今日大掃除のBGMにかけていたらやっぱり最高だなと。

日一日と深まる愛に気付いていくという恋愛の詞だけど、
人間は日々を重ねるにつれて色々なことが分かっていくという
普遍的な意味にもとれて、
大晦日に聴くにはなかなか味わい深い曲だと思う。


Freshmen Favorites.jpg


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2012年12月11日

Weekend Of Meeting And Parting

土曜日はcircustown.netの再開を祝う忘年会だった。
メンバーほぼ全員が集うオフ会としては10年振りくらい?

いつもFacebookで情報交換はしていても、
こうやって顔と顔を付き合わせて話したり笑ったりするのは
やっぱり楽しい。そんな当たり前のことをつくづく感じた夜だった。
(皆さん、今後もよろしくです)

で、次の日曜日は、
この前の「Good Old Boys」にお客さんとして来てくれた
逗子在住のIさんと、その友人で長谷に住んでるOさんと一緒に
ブランディンに遊びに行った。

Iさんは同世代で、ほぼ同じような音楽を聴いてきた
熱烈な音楽ファン。しかもベスパ乗りでもある。
Oさんはまだ30代なのに60'sのオリジナル7inchマニアで、
特にブリティッシュ物に強い。

こんなにも趣味が近い人たちが、
こんなにも近い所に住んでいたことにビックリして、
ぜひ7inchを持ち寄ってブランディンに集まろうということになったのだ。
(それにしても湘南地方の趣味人在住率には本当に驚く)

ひろみさんと地域の色々な情報を交換したり、
宮治さんにMONO環境をセッティングして頂いて
持ち寄った7inchを聴きまくったりして、
久々にのんびりしつつも充実した午後を過ごした。

僕らがレコードを聴いている間、
近所の常連さんも入れ替わり立ち代わり来店していたのだが、
途中、カラオケ仲間でもあるH子さんもみえて、
来年早々に引っ越してしまうからと言って
席まで挨拶をしに来て頂いた。

季節ごとに開催しているカラオケ大会で、
いつもセンスのいい70年代の邦楽やロックを
澄みきった歌声で披露してくれたH子さん。
あの歌声が聴けなくなるのは実に寂しい。
(年に一回くらいはいつものメンバーで集まって歌いましょうね)

10年ぶりの再開を果たした人たち、
新たに出会った人たち、
そして離れて行ってしまう人…。

生々流転というか有為転変というか、
毎日移ろいゆく時の中で繰り返される出会いや別れを
偶然にも痛烈に意識した週末となった。
今後も人との一瞬一瞬の時間を大切にしなければ。

夜は大船のGUNNeRSというお店で
IさんとOさんと夕食&飲み。
バターチキンカレーがめちゃめちゃ旨かった。
大船では美味しくて落ち着ける店がなかなか見つけられなかったけど、
いい店を教えて貰った!


今日のBGM:「The Holly And The Ivy League」by The Ivy League

鎌倉の長谷に住むOさんはブリティッシュ物の7inchコレクター。
この日持ってきてた7inchはなぜかアイヴィ・リーグと
フラワー・ポットメンばかりで、その中で
個人的に一番面白かったのはアイヴィ・リーグが1965年に
ピカデリーからリリースしたクリスマスEPだった。

↑曲はそのEPのタイトル・ナンバーで、
トラディショナル・イングリッシュ・キャロルのひとつである
「The Holly And The Ivy」を、
メンバーのジョン・カーター&ケン・ルイスがアレンジしたもの。
「柊と蔦は」という意味の原題に、自分たちのバンド名を引っ掛けて
オリジナル曲っぽくしちゃってるのが面白い。


The Ivy League.jpg


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