日曜日は昨年の暮れに知りあった逗子のIさんと、
鎌倉の長谷に住むOさんとの新年会。
目の前に海が広がるOさんのマンションにレコードを持ち寄って、
好きな曲を次々にかけていくというマラソン鑑賞会を開催した。
Iさんは「パイド・パイパー・デイズ」シリーズの一環として
リリースされたばかりのザ・マッチや、
シェルビー・フリントのシングルなどをかけてくれたし、
僕も相変わらず節操無い感じで色々とかけたが、
やはり今回の主役はUK物の鬼コレクターであるOさんのコレクションだ。
フーやキンクス、スモール・フェイセズ、マンフレッド・マンなどの
英ビート・グループのオリジナル・シングルはもちろん、
ニック・ドレイクやドノバンなどのSSW、
デイヴィ・グラハムやバート・ヤンシュなどのトラッド系の
オリジナル・アルバムまできれいに揃えているのには驚いた。
自分のような安物買いの音楽ファンにしてみれば、
「この棚全部でおいくら万円?」と溜息が出てしまったが、
自慢気な雰囲気など一切醸し出さないで
「僕、UKレコードそのものが好きなんですよね」と静かに語る
Oさんの美意識に、なんとなく共感してしまう自分もいる。
アメリカ盤のような粗雑な印刷や貼りズレは一切無く、
工芸品のように端正に折り返されているE式のジャケット。
しかも表には鏡のように美しいコーティングが施されている。
そんなUK盤はパッケージが美しいだけではなく、
音も実にファットだったのだ。
今回、Oさんのコレクションをひたすら聴いてみて、
イギリス録音のサウンドのボトムの強さに改めて驚いてしまった。
特にベースの音のデカさ! あれってなぜなんだろう?
それにしても自分が住んでる腰越から江ノ電でたった数駅のところに、
こんなUK盤コレクターが住んでいたとは!
(これからもちょくちょく聴きに行っていいっすか!?)
夜は3人で鎌倉の沖縄料理店で飲み。
最初は普通に音楽の話をしていたが、
徐々にスピリチュアル系の話から昨今の日本のことや政治まで
話題は脱線し続け…
気が付けば深夜の134号線を家まで歩いて帰っていた(トホホ)。
翌日は辻堂の音楽仲間の(昨日とは別の)I氏の家へ遊びに行く予定だったが、
朝起きてみると窓の外は横殴りの大雪。
こりゃ中止だろうとパソコンを開くと、
「予定通り14時に辻堂駅で待ってます」とIさんからメールが。
考えてみればIさんは北海道の帯広出身で、
この程度の雪、屁でもないのだろう。
しかし結局JRが止まっていたので
江ノ島までIさんに車で迎えに来てもらい、
御宅にお邪魔して最新のモノシステムで
お薦めのレコードをたくさん聴かせて頂く。
奥様の作る美味しい夕飯をご馳走になって帰り際に外へ出たら、
雪はとっくに止んで空には星が瞬いていた。
今日のBGM:「She's A Rainbow」by The Rolling Stones
偶然にも、1日目のOさん宅でも2日目のIさん宅でも
ストーンズの『Their Satanic Majesties Request』を聴かせて頂いた。
オリジナルUKモノ盤のマトリックス番号が若い盤で聴くこのアルバムは
サウンドギミックの生々しさが尋常じゃなくて、
想像していたよりもはるかに刺激的だった。
↑この曲のニッキー・ホプキンスが弾くイントロのピアノの
キラキラ感にやられまくりで、昨日からずっと頭に鳴り響いてる。

