宮治さんがふと「今日はバディ・ホリーの命日なんだよね」と呟いた。
毎年2月3日にこのことに想いを馳せる日本人が
一体どれだけいるのだろうか…(さすがはお墓参りまでした人だ)。
そんな宮治さんが昨年ワーナーからリリースした
「Masters Of POP 1000 Best Collection」シリーズの1枚、
リッチー・ヴァレンスの『Ritchie Valens』(WPCR-27801)を聴いた。
今から55年前の1959年2月3日、
若干17歳のロックン・ローラー、リッチー・ヴァレンスが
バディ・ホリー、ビッグ・ボッパーと共に
飛行機事故でこの世を去った。
本作は彼がデル・ファイ・レーベルに残した
唯一のオリジナル・アルバム(1959年)。
リッチー・ヴァレンスは、大昔に買ったGUEST STARという
怪しいレーベルから出た編集盤を1枚持っているだけだったから、
このデル・ファイのオリジナルは初めて聴いた。
「La Bamba」も「Donna」も「Come On Let's Go」も、
有名なヒット曲は全部入ってる。
ほとんどが1分〜2分ちょいの長さ、全部でたった25分のアルバムだが、
プリミティヴなロックン・ロールと
無垢なバラードがバランス良く収録されていて、
夢と希望に満ち溢れた17歳の眩しさがパッケージされている。
上記のヒット・ナンバーはもちろん、
死後に発表されてヒットした「That's My Little Suzie」
(エヴァリー・ブラザーズの「Wake Up Little Susie」の
アンサー・ソングと思いきや、綴りが違った)、
囃子言葉ロックン・ロール「Dooby Dooby Wah」など、
オリジナル曲が最高にカッコ良くて、
つくづく才能ある若者だったんだなぁと思う。
興味深かったのが「Bluebirds Over The Mountain」が
入っていたことだ。この曲はロカビリー・シンガーの
アーセル・ヒッキーが書いて1957年にヒットさせたが、
ビーチ・ボーイズが1968年にシングルでリリースした曲としても有名だ。
地味な曲にも拘らずUKで33位まで上昇した。
調べてみたら、この曲はブルース・ジョンストンがソロで
発表するつもりだったが、カールが興味を持ってくれて
ビーチ・ボーイズとして仕上げたそうだ。
ブルース・ジョンストンはもともと
デル・ファイのプロデューサーだったから、
このリッチー・ヴァレンスのレコーディングが記憶に残っていて、
10年後に取り上げたのかもしれない。
リッチー・ヴァレンスのヴァージョンは
エコーが効いたちょっとレイジーな仕上がりでなかなか良い。
どことなくスペクターっぽい音像だと思ったら、
本作はゴールド・スター録音だった。どうりで。
今日のBGM:「We Belong Together」by Los Lobos
↑本アルバムにも入ってるロバート&ジョニーのカヴァー
「We Belong Together」をロス・ロボスのヴァージョンで。
映像はヴァレンスの生涯を描いた伝記映画『ラ・バンバ』から。
1987年に公開されたこの映画を高校の時に劇場に観に行った。
ロス・ロボスの「La Bamba」が全米No.1を穫って大ヒットした映画だけど、
数あるロック系伝記映画の中でも特に優れた作品だと思う。
(正直『バディ・ホリー・ストーリー』よりも断然思い入れが深い)
電話ボックスの中でギターを弾きながら最愛の彼女ドナに
自作曲「Donna」を聴かせるところや、
事故の報道をラジオで聴いて家族が呆然とするラスト
(サント&ジョニーの「Sleepwalk」が流れる!)など、
印象的なシーンがいっぱいあった。
(ドナ役の女優が可愛かったなぁ)

