有難うございました。
今回はマイクロスターの佐藤清喜さんを迎えての3回目。
もはや準レギュラー(?)とも言える佐藤さんはいつになく語り多めで、
音楽を始めるきっかけとなった作品のことや、
フィル・スペクターの音作りへの好奇心、
冨田恵一氏にアシスタントに付いた時のエピソードなど、
興味深い話をたくさんしてくれました。
知らない話も多く聞けてすごく面白かったです。
佐藤さん、お疲れ様でした。
前々回から、それぞれがテーマを決めて、
それに沿った曲を3曲ずつかけ合うというコーナーを後半に設けてますが、
(自分を除いて)今回の水上さん、佐藤さん両氏のテーマと、
その掘り下げ方がとても深くてさすがだなと。
このイベントは本当に勉強になります。
まず水上さんの前半の選曲でいいなと思ったのは、
NY出身のSSWジョー・ケネディが結成したポップ・デュオ、
ハッピリー・エヴァー・アフターの「Each And Every Day」という曲。
優しさと爽やかさと、ちょっとした切なさが同居した
かなりグッとくるインドア・ポップスでした。
水上さんのテーマは「坂本龍一の良い仕事」で、
教授がアレンジした曲を3曲披露。
高橋幸宏や加藤和彦の曲と共にかかった
佐藤博(GWANさんの方)の「青空」という曲が素晴らしかった。
1976年という時代にしてはすごく洗練されたサウンドで、
特に間奏のストリングスの奇抜で美しいアレンジがすごかった。
吉祥寺発のフォーク・ソングと、CTIみたいなハイセンスな
クロスオーバー・ミュージックが合体したような独特の世界。
坂本龍一の「驚くべき学習能力」(水上さん談)によって成し遂げられた、
魅惑的な仕事を堪能したコーナーだった。
佐藤さんがかけた曲の中では何と言っても
マリ・ペルセンの「Sweetheart」が自分のツボのど真ん中。
目眩がしそうなほどクラシカルなサウンドに囁き系の甘いヴォーカル。
ガール・ポップの究極型でしょう、これは。
(ちょっとジュヌヴィエーヴ・ウエイトのアルバムを思い出したりして)
今や入手が難しくなった7inchシングルでかけてくれたのもたまらんかった。
最近出版された音楽書籍とリンクした曲をかけるという、
佐藤さんの凝ったテーマは本イベントのハイライトだった。
『レッキング・クルーのいい仕事』に書いてあった
「Zip-A-Dee-Doo-Dah」の不思議なギター・サウンド誕生の秘密、
去年出版されたヴォコーダーについての研究書の原書を紹介して
ヴォコーダーの元祖みたいな装置を使ったピート・ドレイクの
モンドな曲をかけたり(高瀬さんが好きそうと言ってくれたけど、まさに!)、
話題の新刊『ラグジュアリー歌謡』を取り上げながら、
MIKI fr CREOLEの「東京の伝書鳩」をかけて
冨田恵一氏との思い出を語ったり…。
音楽を作る側にいないと語れない話というものが、
ただの音楽ファンにとっていかに貴重で興味深く感じるか。
そのことを十分に理解してこのイベントに臨んでくれていることに、
嬉しくも頭が下がる思いでした。
最後に自分のテーマはざっくりと「ザ・歌謡曲」で、
最近気に入っている歌謡曲をただかけただけ。
(田原俊彦とか舘ひろしとかダークダックスとか)
そこには深い意味も統一感も何も無く、
詳しく記すのが恥ずかしく&面倒になってきたのでやめます。
次回の「Good Old Boys」の日程と内容は
決まり次第またお知らせします。
今日のBGM:「That's When The Tears Start」by The Blossoms
↑佐藤さんが前半でかけた1曲。
マイクロスターの「フィーリン!」は、スパイラル・ステアケースの
「More Today Than Yesterday」っぽいってよく言われてるけど、
実はこのブロッサムズの曲にインスパイアされたんだって。
この曲知らなかったけどホントにいい曲。
ヴァン・マッコイ作曲、アーニー・フリーマンのアレンジ。
アーニー・フリーマンは恐らくこのブログ最多出場の編曲家で、
この人のアレンジで好きな曲は数え切れないくらい。

