2012年02月21日

Soft, Safe & Sanitized

渋谷のHi-Fi Record Storeの店内の写真が
装幀に使われている『僕らのヒットパレード』が、
どんな感じの本なのか気になっていた。

本屋で手に取ってチェックしてみると、
通い慣れた店内…というより、抜き慣れたエサ箱の写真が
上部にレイアウトされているだけの、
シンプルな装幀。

中身をパラパラ捲って見てみると、
一瞬ウェルナー・ミューラーの文字が飛び込んできたので、
思わずレジに持っていってしまった。

まだ半分ほどしか読んでいないが、面白い。

片岡義男と小西康陽による音楽エッセイ。
お互いの話題を受けての往復書簡的な趣きもあって味わい深い。
それぞれの独立したコラムもあるし、対談もある。

その対談が特に面白かった。
ウェルナー・ミューラーが登場したのはこの対談だ。
他にもドン・コスタとかデヴィッド・ローズとか
ノリー・パラマーとかレスター・ラニンとかジョー・ハーネルとか
レイ・コニフとか101ストリングスとか、
普通の音楽本にはまず見られないワードが次から次へと登場する。

「ロジャー・ウィリアムズのLPにはハズレが多い」なんて
“ムード物あるある”に思わず笑ってしまった。

ところで、
この対談の中で小西さんがこんなことを言っている。

「ヒップじゃない人たちがヒップな音楽をやっているものが、
いますごく面白く感じられて、下北沢に来ると
大体そういうレコードを集めてるんです」

このセンスにとても共感した。

例えば僕もこの日のブログで、
パーシー・フェイスがビートルズの「The Ballad Of John And Yoko」
カヴァーしているヴァージョンを面白がっていたりするが、
前時代のビッグ・バンドのコンダクターたちが
60年代後半の最前線のロックを解釈する時のズレや、
若い世代に対しての気張りみたいなものが、
とんでもなく笑えてエキサイティングなアレンジを生んでしまう、
なんてことがよく起こり得るのだ。

すると驚いたことに、
その手の曲ばかり収録したコンピがあることを
某ブログで知ってしまった。

その名も『Soft, Safe & Sanitized』(ソフトで安全&消毒済み)。

どちらかと言えば、
エキサイティングな方じゃなくて笑えるヤツばかり。

リヴィング・ヴォイセズの「Like A Rolling Stone」
ブラザーズ・フォアの「Revolution」
レターメンの「Touch Me」
メル・トーメの「Sunshine Superman」などなど。
そして我がパーシー・フェイスの「The Ballad Of John And Yoko」も
ちゃんと入ってる。

目の付けどころがニクいというか、
かなりブラックなセンスの秀逸なコンピレーション。
さすがライノ!

今度、自分のセレクションで続編を作ってみようかと。


今日のBGM:「Give Peace A Chance」by Mitch Miller & The Gang

↑収録曲中、恐らく一番笑えるのがこれ。
ジャケットの左下のジョン・レノンも泣いてるよ!


Soft, Safe & Sanitized.jpg


posted by Good Time Graphicker at 23:35| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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