『ビーチ・ボーイズとカリフォルニア文化』
(サンプル本が届いたら改めて紹介します)を校了した途端、
体調を悪くした。
胸焼けがひどく(吐き気も少々)、腹も下して食欲が全くない。
熱はないし、鼻水や関節の痛みもないので
どうやら風邪ではないらしい。
食あたりかもと思ったが、思い当たるフシはないし…。
結局、丸2日寝込んだら何事もなかったように回復した。
一体何だったんだろう?
疲れやストレスがお腹にきたのだろうか。
というわけで更新が開いてしまいましたが、
(まだ元気だった)4日前に参加してきたCRTの話題を少しだけ。
今回はビーチ・ボーイズの『スマイル特集』ということで、
冒頭の本の絡みもあったので顔を出してきた。
まだ何の『SMiLE』も体験して(買って)いない僕には、
健太さんのマニアックな聴き方にはほとんどついていけなかったが、
ある視点だけ「なるほど」と思ったことがあった。
今回のビーチ・ボーイズ版『SMiLE』は、
ブライアン・ウィルソンの新譜『In The Key Of Disney』と
ほぼ時を同じくして発売されたが、
この2枚は実は背景が同じではないかという視点。
『SMiLE』は1967年という時代に生み出されたこともあって、
サイケ&ドラッグ・カルチャーの申し子みたいな見方もされてきたが、
実はブライアンはディズニーランドみたいな楽しさを
ただ音楽で表現したかっただけなんじゃないか、という健太さんの指摘に
妙に納得してしまった。
というのも
『ビーチ・ボーイズとカリフォルニア文化』に出てきた、
1955年にアナハイムにオープンしたディズニーランドに
ウィルソン家は年2回必ず通っていたという記述を思い出したからだ。
まだ小さいデニスやカールはただアトラクションに大喜びだったとあるが、
高校に入る直前の感性が豊かな時期のブライアンは、
このテーマパークに果てしないファンタジーとロマンを感じたはずで、
その後のクリエイティヴィティに大きな影響を及ぼしたことは
想像に難くない。
ただ、ここにも書いたけど、
ディズニーにはただの楽しい世界観だけじゃなくて、
狂気やグロさといった側面もあると(個人的には)思っている。
『SMiLE』もヴァン・ダイク・パークスのパラノイア的資質や
ブライアン自身のドラッグの影響などで、
ディズニーのそういったダークな側面までをも内包しちゃった感があって、
結果的に「楽しいだけのもの」とは程遠いものになっちゃってる。
やっぱり、どうしようもなく変テコなアルバムなのだ。
ようやく時間も出来て、体調も良くなったことだし、
そろそろこの『SMiLE』というお化けのような代物に
じっくりと対峙してみようかなと思っている。
今日のBGM:「When You Wish Upon A Star」by Louis Armstrong
ホーソーンの南東約45kmの街アナハイムにディズニーランドが
オープンしたのが、ブライアン13歳の時。
同じ様に、住んでいる街から約40kmの浦安に
東京ディズニーランドがオープンしたのが自分が14歳の時だった。
だからというわけじゃないけど、
ブライアンのディズニーに対する思い入れは
何となく理解できるような気がする。
↑曲は「Surfer Girl」のメロディの元ネタでもある『ピノキオ』の主題歌を
サッチモのヴァージョンで。

