店内でかかっていたBGMがとても気になった。
オルガンとリズム・ボックスのみのシンプルなサウンドに、
ソウルフルなヴォーカルが乗ったブラック・ミュージック。
「この曲、何ですか?」と聞くと、
ティミー・トーマスの「Why Can't We Live Together」という曲で、
マイアミ・ソウルの有名曲だとのこと。
恥ずかしながらティミー・トーマスというアーティストは知らなかったが、
僕はこの曲を確かに知っている。
しかし自分が知っているヴァージョンはインストゥルメンタルで、
ヴォーカルは無かったはずだ。
10代の時に、『When A Man Loves A Woman』という
輸入盤のオムニバス・レコードを安く買った。
サブ・タイトルに「14 Romantic Oldies」と付いていて、
ドリフターズやプラターズやサム・クックやファッツ・ドミノの
R&Bのヒット曲に混じって、なぜかキングストン・トリオやトロッグス、
グレン・ミラーの「Moonlight Serenade」までも入っている、
訳わからん選曲のオールディーズのオムニバスだった。
確かパーシー・スレッジのタイトル曲が目当てで買ったはずだったが、
ラストにフレディ・ハンマー(Freddy Hammer)というアーティスト名で
この「Why Can't We Live Together」が入っていて、
とても気に入ってしまったのだ。
ティミー・トーマス版と同じ楽器編成で印象もほとんど変わらないが、
ヴォーカルが無い代わりにサックスやオルガンで主旋律をなぞっている。
この尋常じゃないローファイ感にはたまらない魅力があり、
他の曲も聴いてみたいと思いこのフレディ・ハンマーなるアーティストのことを
一生懸命に調べたが一向に分からなかった。
(レコードは輸入盤なので解説などは一切付いてなかった)
恐らくティミー・トーマスがヒットした後に数多くリリースされた
カヴァー・ナンバーのひとつなのだろう。
このオムニバス盤を買ってから20数年、
今回ようやく「Why Can't We Live Together」の
オリジナル・アーティストを知ったわけだが、
さっきYouTubeでそのティミー・トーマス版をじっくり聴いてみたけど、
やっぱり僕はフレディ・ハンマーのインスト版の方が
カッコいいと思ってしまった。
どこの馬の骨が演ったインチキ・カヴァーか知らないけれど、
自分にとって「Why Can't We Live Together」は
このフレディ・ハンマーがオリジナルなのだ。
今日のBGM:「Why Can't We Live Together」by Freddy Hammer
↓これが問題のオムニバス盤。
"Perfect Records"という聞いたこともないレーベルから
1987年にリリースされている。
当時お金が無いくせに1曲も多くヒット曲を知りたかったから、
こういう安いオムニバス盤をたくさん買ったんだよね。

