2011年07月13日

Tell Her No

ある人のブログで、
"ゾンビーズのロッド・アージェントは、
一緒に英ツアーを回ったディオンヌ・ワーウィックが歌う
バカラック・ナンバーに影響を受けて
「Tell Her No」を作った"という記述を発見。

目から鱗。
「Tell Her No」の洗練されたコード感はバカラック仕込みだったのか!

60年代の初めから中頃にかけて、
バカラックの才能をまず評価したのは
イギリスのビート・グループ達だったけど、
ゾンビーズの「Tell Her No」も
バカラック・マジックによって生まれた曲だとは知らなかった。

当時、生まれたてのロック・ミュージックが、
アメリカとイギリスをピンポンのように行ったり来たりして
相互影響を受けながら急成長していく過程での、
こういう逸話って本当に面白い。

ゾンビーズの「Tell Her No」は
今でも溜息が出るくらい大好きな曲。

前述したブログではこの曲の最後に登場する
"Don't leave her now for her love belongs to me"というフレーズのあと、
ストップタイムになって一拍だけ入る
エコーのかかったハンドクラップの重要性についても語られていた。

こういう奇跡的な名曲には、
魔法がかった聴きどころポイントの瞬間みたいな箇所が必ず存在するが、
「Tell Her No」のポイントは
確かにそこだと僕も常々思っていた。

そう言えば今思い出したが、
予備校の頃に音楽仲間だったKちゃんが
ニッティ・グリッティ・ダート・バンドの「Mr. Bojangles」の中に
なぜか1回しか鳴らない鈴の音が登場して、
その瞬間がたまらなく好きだと熱く語ってくれたことがあった。

彼にとって、
「Mr. Bojangles」の聴きどころポイントはその鈴の音だったのだ。
こういう音楽の聴き方をする人って素敵だなと、
その時に思ったのを覚えている。

ポップスの魔法とは、
そういう一瞬にだけ宿っているのかも知れないとも思う。


今日のBGM:「Tell Her No」by The Zombies

↑このEmaj7の浮遊感もポップスの魔法。
1分53秒あたりで登場するハンドクラップの響きに注目。
このパートの発展系が「Time Of The Season」のイントロになるわけですな。


The Zombies.jpg


posted by Good Time Graphicker at 05:45| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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