もちろん、オリジナルとは違う
ダンス・リミックスやロング・ヴァージョンが目当てで。
当時は、3分間の完成されたポップスを
ただやたらと長くしていることに不満を感じていたが、
最近は ①音がいい ②DJの時に飛び道具として使える
③未発表曲に出会える…などの理由から
自分の中で評価が上がっているのだ。
ので、昨日のブログで書いた
0CC(ゼロシーシー)で買ったブツも80'sの12inchだった。
その1枚。
コンパクト・オーガニゼーションの歌姫、マリ・ウィルソンが
日本独自の企画でポリドールからリリースした4曲入りピクチャー・レコード。
1983年にリリースされた日本でのデビュー盤『Showpeople』の
プロモーション目的で出されたものだと思う。
82年秋にイギリスとヨーロッパで大ヒットした
「Just What I Always Wanted」がオリジナルよりも2分近く長い
ロング・ヴァージョンで収録されているのが嬉しい。
トニー・マンスフィールド印のエレクトリック・ダンス・ビートが
延々に続くイントロからして、もう得した気分。
『Showpeople』の日本盤には入っていなかった
「Beat The Beat」と「Baby It's True」の2曲も嬉しかった。
しかも「Baby It's True」は"Discoteque Arrange"と銘打って
7分もの長尺ヴァージョンなのだ。
あのマリの喋りが重なるワクワクするイントロだけで3分近く。
こういうヴァージョンと出会えるから12inchは素晴らしい。
そしてもう1枚。
スタイル・カウンシルの12inchシングル。
名盤『Our Favourite Shop』からのカットだけど、
A面の「Boy Who Cried Wolf」はアルバムと同じヴァージョン、
B面の「The Lodgers」が"Dance Remix"で最高にカッコいい。
早速iTunesに取り込んだら、あれれ同じヴァージョンを発見。
「The Lodgers」の"Dance Remix"は、
2007年に出た『Our Favourite Shop -Deluxe Edition-』の
ボーナス・トラックに入っていたみたい。喜んで損したけど、
でもレコードで持っていたかったから良しとしよう(ジャケもいいしね)。
マリ・ウィルソンにしてもスタカンにしても
60年代のモータウンとかフィラデルフィア・ソウルの美味しい部分を、
当時最先端のサウンドで本当に巧く料理してる。
シンセの入れ方とかも嫌みにならない程度に抑えてて
今聴いても全く古臭く感じないのだ。
温故知新のセンスというか、
古いスタイルを新しく聴かせる技というか、
イギリス人のそういった感性にはホント敬服してしまう。
今日のBGM:「Baby It's True」by Mari Wilson
↑杉真理の「スキニー・ボーイ」(1983年)のイントロは
この曲のイントロにインスパイアされていると思うんだけど、
おそらくトット・テイラーとかトニマン的なサウンド・センスが
当時の日本のポップスに与えた影響は計り知れないと思う。
(のだが、そのことに触れた評論はほとんど読んだことがない)

