ジェフ&マリア・マルダーの「Brazil」のことを書いたが、
同業で音楽の先輩でもある奥山さんのブログで反応して頂いた。
実はあの日のブログで書いた
行きたかったイベントというのが、
奥山氏と(音楽ライターの)小尾隆氏による「エイモスを聴く会」だった。
奥山さんはデザイナー/イラストレーターでありながら、
音楽(洋邦問わず、ギターなどの楽器についても)や映画にとことん詳しく、
たまに呑みにご一緒させて頂く時には
いつもそこら辺の面白い話をたくさん聞かせて頂く。
今回のブログの反応でも
ジェフ&マリアの「Brazil」の話から
テリー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』に飛んで、
ハンドメイド・フィルムズ繋がりでレイ・クーパー、
更にはカルト&傑作サスペンス映画『ブラジルから来た少年』や
ブラジルに逃げ切った大列車強盗のロナルド・ビッグズの話まで、
話題が広がる広がる。
ところでその日の奥山さんのブログには、
エイモス・ギャレットと同じく指でベンドして弾く
ジェリー・ドナヒューというギタリストが参加したアルバムとして、
ジェリー・ラファティの『City To City』が紹介されていた。
ジェリー・ラファティと言えば、
僕もこの日のブログでその名前を登場させている。
湘南の音楽仲間、MさんのDJで
ジェリー・ラファティの1st『Can I Have My Money Back?』からの曲が
とても印象的だったからだ。
その音楽性もとても気になるのだが、
ジェリー・ラファティのほとんどの作品のジャケットは
スコットランド出身のイラストレーター、
パトリック(本名:ジョン・パトリック・バーン)が描いていることに
最近気が付いた。
(調べてみるとパトリックは
ジェリー・ラファティがソロ以前に在籍していたグループ、
ハンブルバムズやスティーラーズ・ホイールのジャケットにも描いているらしい)
いかにも英国的で牧歌的な世界を
ものすごく緻密なタッチで描き出すパトリックの絵はかなり個性的で、
パトリックという名前を知らなくても
「ああ、この絵ね」と気付く音楽ファンも多いと思う。
僕が最初にパトリックの絵に出会ったのは
ビートルズのバラードばかり集めた編集盤『The Beatles Ballads』だった。
1980年にリリースされた当時、確か姉が買ってきたはずで、
中学生になるかならないかくらいの時に、
このイラストが大好きで毎日飽きもせず眺めていたのを思い出す。
その選曲の素晴らしさもさることながら、
今でもこのベスト盤の価値を高めているのは
パトリックのジャケット・アートだと思う。
パトリックの作品を使ったアルバム・ジャケットが
世の中にどのくらい存在しているのか分からないけど、
恐らく一番有名なのは
ドノヴァンの71年作品『HMS Donovan』じゃないだろうか。
このアルバムはまだ持っていないし
内容も聴いたことはないけれど、
ドノヴァンのちょっと屈折したファンタジーの世界と
パトリックの描く幻想的な世界観が、
恐らくとんでもなくマッチしているのだろうと
勝手に想像している。
いつかオリジナルのアナログ盤でゲットすることを夢見ているんだけど…。
(結構、高いんだよね)
今日のBGM:「Baker Street」by Jerry Rafferty
↑ジェリー・ラファティの1978年のアルバム『City To City』から
全米2位まで上ったヒット曲。

