あるDJイベントのプレイリストを見たら
ジェフ＆マリア・マルダーの「Brazil」があって、
やっぱり無理して行けば良かったと後悔した。
自分じゃなくて他人がかけたこの曲を、
お店でビールとか飲みながら大音量で聴きたい気分。
しょうがないので今日1日、
アルバム『Pottery Pie』をリピートで聴いた。
ああ、それにしてもこの「Brazil」は何てハッピーなアレンジなんだろう。
古今東西数あるこの曲のカヴァーの中でも
断トツに好きなヴァージョンなのだ。
結構前に
佐藤浩市が出てたウイスキーのCMで使われたことがあったけど、
この曲を使うと決めた
代理店だかスポンサーだかのセンスに嫉妬したことも。
あと個人的にこの曲には
ちょっとした苦い想い出がある。
もう何年も前に
BrandinでDJをやらせて貰った時にこの曲をかけたことがある。
曲がスタートした途端、
たまたまお客さんの中にいらした木崎義二さんが
DJブースの前まで歩いてきて、
ニコニコしながら回るレコードを見始めた。
緊張した僕は何を血迷ったか、
「この曲、ご存知ですか？」と聞いてしまった。
恐らく「この曲、お好きですか？」と聞こうとして
間違ってしまったんだと思う。
自分が生まれるずっーと昔からレコードを聴き続け
評論活動もしているポップスの大先生に向って、
自分は何を言ってるんだ！と
言ったすぐ後で全身がカーッと熱くなってしまった。
しかしそんな失礼な質問に対しても、
木崎さんは微笑みながら頷いてくれて
たゆたうようなグルーヴに身を任せていた。
この曲を聴くと、
あの時の木崎さんの幸せそうな表情が
いつも頭に浮かぶ。
（そして自分のアホさ加減も）
今日のBGM：「Brazil」by Geoff & Maria Muldaur
↑エイモス・ギャレットのギターの音色とフレーズ、それに被さる口笛…
イントロの数秒だけで極上の至福感に到達できる奇跡的なナンバー。
誰もが思うことだけど、
最後にチラッと登場するエイモスのギター・ソロ、
もっと聴きたかったなー。
