2010年06月27日

7 Version Of "Holiday For Strings"

この日のブログ
「Holiday For Strings」という曲のことを書いたら、
Again店主の石川さんからこの曲の色んなヴァージョンが入った
CD-Rを頂いた。

石川さんは昔から
「メッセージを発信することの大切さ」を教えてくれていたが、
ブログを始めてこういう細かいネタにすぐに反応して下さる方々がいて、
自分だけの小さな世界が徐々に広がっていくことを直に体験すると、
石川さんの言葉の真意が「なるほどこういうことか」と身に沁みて分かる。

そのCD-Rには
色々な楽団やアーティストが演奏した「Holiday For Strings」が
7曲も入っていた。

作曲者デヴィッド・ローズの
(オリジナルと言っていい)ヴァージョンから、
フレッド・ワーリングとペンシルヴァニアンズのヴァージョン、
グレン・ミラーのビッグ・バンド・ヴァージョン、
サン・ラーのジャズ・ヴァージョン、
スパイク・ジョーンズによる衝撃、いや笑撃のヴァージョンまで。

その中でとても気に入ったものが2曲あった。

まずはテッド・ヒースのヴァージョンが
超高速なビッグ・バンドで最高にカッコいい。
調べてみたらテッド・ヒース&ヒス・ミュージックの名義で
デッカから1954年にシングル(Decca F10272)でリリースしている。

テッド・ヒースはデヴィッド・ローズと同じ英国人のバンド・リーダー。
彼が率いたテッド・ヒース楽団は
イギリスを代表する世界的なビッグ・バンドで、
特徴は絶妙なアンサンブルと迫力あるプレイ。
なるほどそれでこの演奏なのか。
「Holiday For Strings」という曲は
のどかで可愛らしい雰囲気の曲だと思っていたが、
このテッド・ヒースのアレンジは
そんなイメージを完全に覆すパンキッシュな演奏だ。

もう1曲は
ヴォイセズ・オブ・ワルター・シューマンの歌入りヴァージョン
ワルター・シューマンはアメリカのコンポーザーで、
50年代には20人ものヴォーカリストと共に結成したグループ、
ヴォイセズ・オブ・ワルター・シューマンで
キャピトルやRCAに何枚もレコードを吹き込んでいる。
この「Holiday For Strings」は1952年のアルバム
『The Voices Of Walter Schumann』(Capitol T297)に収録されていた。


Voices Of Walter Schumann.jpg


この曲がスペクタクルなコーラス・アレンジで歌われているのだから
面白くないわけがない。
同じキャピトルからリリースされたドイツのコーラス・グループ、
ボーソ・ルーカス・コーラス(The Botho Lucas Chorus)や、
RCAのヒューゴ&ルイジのカスケイティング・ヴォイセズにも
通じる世界観を感じた。

ジャズのヴォーカリーズでもなく、ゴスペルでももちろんない、
こういう大人数の男女混声白人コーラスってどこに端を発するのだろう。
とても興味深く感じる。

ヴォイセズ・オブ・ワルター・シューマンは
ぜひレコードを探してみようと思った。

CD-Rには他にも
このブログで過去に取り上げてきた
ルロイ・アンダーソンやフロイド・クレイマー、
モートン・グールド楽団の曲も入っていた。

石川さんが本ブログの内容に対して、
音楽というかたちで饒舌な感想を返してくれたと僕は捉えたけど、
こういう粋なプレゼントはやっぱり嬉しい。

改めて有難うございました。


今日のBGM:「Here's That Rainy Day」by Johnny Keating

↑イギリスのアレンジャー/コンダクター、
ジョニー・キーティングが1966年にリリースした
最高にグルーヴィで大好きなアルバム
『Here's Where It Is The Johnny Keating Sound』から。

調べてみるまですっかり忘れてたんだけど、
ジョニー・キーティングは前述したテッド・ヒース楽団の
トロンボーン奏者兼アレンジャーで頭角を現したのだった。
テッド・ヒース楽団のモダンで凝った素晴らしいトラックは、
ほとんどが彼が手がけたものだそうだ。
テッド・ヒース楽団のサウンドに耳が引っかかったのは当然だったのだ!


Johnny Keating.jpg


posted by Good Time Graphicker at 05:51| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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