『ダウンタウン・レコード』の存在を知ったのは確か3年前だった。
『THE DIG』の別冊『レコード探偵団が行く!』の巻頭で、
安斎肇さんが取材を受けていたのがこのお店で、
写真から伺える店内の雰囲気などから
「これは絶対行かなければ!」と思ったのだ。
早速、次の日曜日に東陽町まで出かけていった。
江東区の下町にこんなお洒落な佇まいのレコ屋があることにまず驚いたが、
もっと驚いたのは品揃えのセンスの良さと、
渋谷などに比べてかなり良心的な価格設定。
その日は結構な枚数を買って、
その後も間を置かず何回か通ったはず。
鎌倉に越してきてからはとんとご無沙汰だったが、
宮治さんも贔屓にしていたり(ワーナーのご自身のブログでも紹介している)、
本ブログによく登場する藤沢のI氏からも
『ダウンタウン』でイベントをやったことがあると聞いたりして、
湘南の音楽仲間にまでこの店の評判が知れ渡っていることに驚いた。
先日、久々に行ってみた。
何でもフランスに買い付けに行った直後だったらしく、
フランスのサントラや7inchが多い。
以前よりもオールディーズのオリジナル・シングル盤が
少なめなのが残念だったが、
それでも相変わらずのセレクト・センスに喜々として
たっぷり3時間も居座ってしまった。
購入したアルバムは
カテリーナ・ヴァレンテの1956年のドイツ録音盤『The Hi-Fi Nightingale』。
もちろん最近ハマりまくっているウェルナー・ミューラーの
オーケストラ・アレンジが目当てだ。
帰ってきて早速針を落としてみて思ったのは、
やっぱりウェルナー・ミューラーのアレンジはスゴい。
このアルバムには彼の他にも、
ポール・デュランやカート・エデルヘイゲンのアレンジによる曲も
収録されているのだが、
ウェルナー・ミューラーの手の込んだアレンジに比べると
とても平凡に聴こえてしまう。
特にA1の「The Breeze And I」とB1の「Malaguena」は
明らかにヒットを狙ったと思われる尋常じゃない力の入れ具合で、
目眩めくストリングスと情熱的なカテリーナの歌に、
聴いていると自然と体が熱くなってきてしまう。
ちなみにこのアルバム、ものすごく安かった。
50年以上も前のこういうレコードを
気軽に入手できるレコ屋『ダウンタウン・レコード』。
とても貴重な店だと思う。
今日のBGM:「Fiesta Cubana」by Caterina Valente
↑この曲だけオーケストラが入っていない可愛らしいナンバーで、
クレジットを見て驚いた。
"All Voices and Instruments Performed by Caterina Valente"とある。
何と山下達郎もびっくりの一人多重録音ナンバーなのだ。
しかも楽器の演奏も自分一人で全部演ってる!
カテリーナ・ヴァレンテってホント才女だったんだね。

