2014年02月03日

Gravity

遅まきながら『ゼロ・グラビティ』を観に行った。

平日の夕方、新宿に観に行ったら
3D上映の映画館が満員で入れなかった。
仕方なく2Dの方に行ったらガラガラ。
過去にこんなにも2Dと3Dの動員の差が激しい映画があっただろうか。

観終わった後に、
それも仕方ないなと思った。
映画というよりも、ゲームとか
体験アトラクションに限りなく近い作品だったからだ。
ストーリーはあってないようなものだし、
観客はひたすら宇宙空間に放り投げ出されっぱなしなわけだから。

映画がアトラクション化していくことに関して、
今までは自分も何となく居心地の悪さを感じていたけど、
本作を観てそれもアリかな、という気持ちになった。
今後ますますCGやVFXが自然に使われるようになって、
人間がまだ足を踏み入れていない未知の世界を
3Dで疑似体験できるようになるはず。
それが映画の大きな役割のひとつとして機能していくのは
時代的に必然のような気がしたからだ。
(個人的には、良質な脚本がしっかりと存在するような
レディメイドな作品の方が断然好みなのだが)

考えてみれば、
100年以上前にリュミエール兄弟が列車の到着を映像で見せた時に、
観客が驚いて逃げたという逸話を思い出してみても、
映画には最初から体験アトラクション的側面があったはず。
『ジュラシック・パーク』だって『タイタニック』だって、
未知の映像世界を体験させてくれたからこそあんなに興奮したのだ。
いつの時代にもそういった優れた作品が
映画という文化の寿命を延ばしてきた。

ところで
『ゼロ・グラビティ』にはもうひとつ気になる点があって。
ストーリーの根幹を成す宇宙空間で起こる事故が、
実際には起こりえないとNASAが発表しているという記事を読んだのだ。
(そのことでNASAが怒って協力を拒んだって本当?)

もしそれが本当ならばショック!
そこはちゃんと裏を取ってしっかり描こうよ。
ちょっとした(映像的な)ウソぐらいなら許せるけど、
作品の土台となるような設定の部分でリアルじゃないのは
かなり醒めるよなぁ(映像が超リアルなだけに)。

まぁでもそんなことは後から知ったことで、
観てる最中は興奮しっぱなしの90分だった。
アルフォンソ・キュアロン監督お得意のワンカット長回しとか、
サンドラ・ブロックが無重力で宇宙服を脱ぐ
『バーバレラ』のパロディ風シーンとか、
王道の映画的至福感もかなり味わえますよ。

時間があれば、再度IMAX 3D版を観に行くつもり。


Gravity.jpg

どうでもいい話ですけど、↑こういうヴィジュアルを見て…


↓こういうヴィジュアルを思い出したりして…(ウチらの世代的には)

Gundam3.jpg


今日のBGM:「Angels Are Hard To Find」by Hank Williams Jr.

↑ジョージ・クルーニー演じる宇宙飛行士コワルスキーが聴いていた曲。
宇宙空間で聴くと、カントリー・ミュージックが持つ
郷愁感ってスゴいなと思った。


posted by Good Time Graphicker at 04:31| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする