2014年01月31日

So Bad

『マッカートニー・ミュージック』に掲載されている
「レコスケくん」を読んで思うこと。

この漫画に出て来るハザマケンジさんというビートルマニアが、
ポールの80年代低迷期をアルバム『Pipes Of Peace』から
シングル「Once Upon A Long Ago」までの4年間と定義してるけど、
それって自分がリアルタイムで一番ポールにハマってた時期だ。

個人的には大好きな時期なのだが、
確かに一般的な評価はかなり低い。

特に『Pipes Of Peace』はポール自身も
気に入っていないんじゃないかとハザマさんは推測する。
その後に一切ライヴのレパートリーになっていないからだと。

確かに!
『Pipes Of Peace』の収録曲を
今までライヴ音源で一度も聴いたことがない!
(あの『Press To Play』でさえ「Only Love Remains」を
ライヴで演っているのに…)

これって結構衝撃的。
『RAM』もそうだし、何でポールは
僕が好きなアルバムの曲をライヴでやってくれないんだろう?
(結局自分は、装飾過多でライヴ向きじゃない曲が
多く入っているアルバムが好きということなのかな)

でも漫画ではレコスケくんが最後に
「ポールに低迷期なんて本当はない。
あの頃のポールの曲が大好きなファンはいっぱいいます」
と泣けるセリフを語ってくれている。

そうなのです。
80年代のポールは決して低迷期なんかじゃない。
『Give My Regards To Broad Street』も
『Press To Play』だって最高じゃんか。

それを確信するために
今日もまた『Pipes Of Peace』を聴くことにしよう。


今日のBGM:「So Bad」by Paul McCartney

↑この曲なんか最高なのに。PVも懐かしい!
ちなみにこの曲、
『Give My Regards To Broad Street』のCDのボートラに
セルフ・カヴァー・ヴァージョンが入ってることも
今回の「レコスケくん」で知った。CD買わなきゃ。

↓人気がないのはジャケも微妙だからかなぁ…。
(せっかくポールの手が写ってるのに、
日本盤では帯でそれさえも隠れてしまうとハザマさんは嘆いている)


Pipes Of Peace.jpg


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2014年01月29日

The Sound Of 1964

先週の土曜日のブランディンのイベントは、
「ペット・サウンズ」の森勉さんをゲストに迎えて
1964年の洋楽特集。

1964年当時、中学1年だった森さんが
個人的な観点からこれは!という曲を20曲選んで順位を付け、
楽しいエピソードと共に紹介していった。

普段、後追い世代の僕らがDJする時に選ぶような、
ヒットチャートとは無縁でマニアックかつカッコいい曲が
一切かからなかったことに、逆にすごく感動。

森さんだって、今の耳でも「おおっ」と思うような
1964年のカッコいい曲をたくさん知っているだろうに、
かかった20曲全てが当時の中学1年生の無垢な感性で選ばれている、
その真摯さに胸を打たれた。
(しかもほとんどの曲が当時買った日本盤シングルでかかった)

そしてその1曲1曲の背景に広がる、
当時の日本の状況が垣間見れる素朴なエピソードも楽しかった。
まるで森少年を主人公にした映画を観てるよう。

「森さんはやっぱりポップスの人ですね」と、
イベントが終わってから宮治さんと話した。
だって1位がジョニー・シンバルの「僕のマシュマロちゃん」ですよ!
(誰もが、昔から大好きと仰っていた
ミーナの「砂に消えた涙」だと思い込んでいたのに!)


Jonny Cymbal.jpg


武蔵小山の「ペット・サウンズ」に
初めて足を踏み入れた瞬間から、
自分が将来お世話になり続けるような居心地の良さを感じたのは、
森さんのこのようなポップス好きの感性が
店いっぱいに充満していたからだったんだと改めて思う。

自分にとって居心地の良い店と言えば
ブランディンもまさしくそうで、
今回のイベントの途中で開店15周年のお祝いが盛大に行われた。
常連のお客さんたちが書いた寄書きを閉じたバインダーと、
店名の由来となった「BRANDIN BY THE SEA」と書かれた
プレートを模したケーキ、そして豪華な花束が宮治ファミリーに渡され、
その模様を側で見ていた自分も感動してウルウル。

思えば15年前、
初めてブランディンに訪れた時のオアシス感は衝撃的だった。
その時も、この場所と自分は深い関係になるなと直感的に思った。

「ペット・サウンズ」と「ブランディン」。
ポップス好きの自分にとって、
この2つの場所が今までどれだけ大きな存在だったか。

これからもお付き合いのほど
よろしくお願いします。


今日のBGM:「I'm Happy Just To Dance With You」by The Beatles

↑森さんの選曲でかかったビートルズ・ナンバー。
もっと多くのブリティッシュ・ビート系がかかるかと思ったけど、
意外と少なかった。1964年の日本では、
米英以外にもカンツォーネやらフレンチ・ポップスやら
まだまだ世界各国の曲が溢れていたんですね。

↓このシーンをジャケットに使うセンスに感動してた森さんに
僕も激しく同感。


A Hard Day's Night.jpg


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2014年01月27日

Last Old Boys

先週の金曜日、
水上さんとのDJイベント「Good Old Boys」が
最終回を迎えた。

もともとこのイベントは、
水上さんとたまに電話で話す音楽話が盛り上がって、
その内容が(客観的に聞いても)結構面白いんじゃないか…
こんな話ができるイベントがあってもいいのでは…
みたいな軽いノリで始めた。

その話の内容とは、時によって
音楽リスナーの世代間問題だったり、
ポップ・ミュージックと「老い」の問題だったり、
権威的なロックと、そうではないバブルガムなポップスの
間に存在する差別問題だったり、
更には日本の音楽評論に対して思うあれこれ、
音楽にまつわる男女や恋愛の話などなど、
音楽専門誌等では意図的に避けられるような、
本質的で面白い話題が多かった。

かなり毒舌で危険な話もあったから、
そんな話題をイベントで丸々再現できたわけではなかったけど、
あの会話の根底に流れていた“音楽に対する共通した価値観”は、
これまで「Good Old Boys」でかけた多くの曲で
かなり表現できたんじゃないかと思っている。

イベント自体は、
(ゲスト選びや集客の難しさなどもあって)
今回で終了となったが、やってみて本当に良かったと思う。
何よりも自分のセンスや情報量だけでは知ることができなかった
素晴らしい曲にたくさん出会えたし。

2年半、計17回の間に、
いらしてくれた全てのお客さん、
ゲストとして参加して下さった方々、
好き勝手気ままなこのイベントに付き合ってくれて
本当に有難うございました。
そして毎回テーマやゲストのアイディアを出し、
司会としてもイベントを丸ごと仕切ってくれた
水上徹さんに感謝します。

では、最終回となった「Good Old Boys」の軽いレポートを。

ゲストはマイクロスターの佐藤清喜さん。
2日前から風邪をひいたらしく、辛そうな時に
難題を突きつけてしまって本当に申し訳なかったです。
そのお題とは「60年代、70年代、80年代、90年代、
2000年以降という時代ごとに好きな洋楽を1曲ずつセレクトする」
というもので、終わってみれば3人の個性が出た面白い内容になりました。

以下はお二人の選曲の中から、
個人的に印象的だったナンバーを1曲ずつ選んでみた。

●オーランド・マーデン「For Once In My Life」
水上さんの70年代からの1曲。
トニー・ベネットやスティーヴィー・ワンダーの歌唱で有名な名曲
「For Once In My Life」を作曲した、
オーランド・マーデンによるセルフ・カヴァー・ナンバー。
下のジャケを見ても分かるように、
なんとハープを弾きながら歌う面白い人のようで、
この自作曲もスティーヴィーのヴァージョンとは似ても似つかない
ジャンルレスで不思議なアレンジだった(でも最高!)。


Orlando Murden.jpg


●パールフィッシャーズ「Say Goodbye To The Fairground」
佐藤さんによる2000年代以降の1曲。
本イベントが最終回ということで
“Goodbye Song”というテーマで選曲してくれた。
最後にかけたパールフィッシャーズの曲が、
チルドレン・コーラスも切ないバラードで胸に染みまくり。
佐藤さんはこのイベントに計4回登場。
「人前で喋るのは苦手」と言いながら
いつもゲスト出演を快諾してくれて感謝で一杯です。


The Pearlfishers.jpg


今日のBGM:「You Are The One For Me」by The Bablers

↑自分がかけた曲の中から(90年代の)1曲。
(アゲインの店主、石川さんが日記で言及してくれたので…)
フィンランドのビートリッシュなバンド、
バブラーズの素敵なナンバー。

そうそう、このイベントを企画時から温かく見守ってくれた
石川さんにも感謝します。長い間、お世話になりました!


The Bablers.jpg


posted by Good Time Graphicker at 05:14| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする