湘南の音楽仲間Sさんの車で家まで送って頂いた。
ドライヴのBGMは『筒美京平 アルティメイト・コレクション』。
Sさんとは同世代で(誕生日が1日しか違わない)
カラオケ仲間ということもあり、
昭和歌謡の話題で盛り上がることが多い。
奇しくも今年は『あまちゃん』のせいもあって、
やれキョンキョンだ薬師丸だベストテンだと散々盛り上がった。
それは僕らだけでなく、世の中もそうだったみたい。
雑誌では歌謡曲特集が組まれ、
80年代アイドル・ブームを顧みる番組なども多かったように思う。
そういうものにどっぷりと浸るのは
思春期を思い出して懐かしいし楽しいけれど、
ちょっとした虚しさも感じてしまうのは自分だけだろうか。
最近読んだ『GINZA』というファッション雑誌がやはり
“ザ・歌謡曲特集”で、巻頭に松本隆氏のインタヴューが載っていた。
「昨今の歌謡曲ブームをどう思いますか?」という質問に、
松本さんは「歌謡曲ブームというより昭和ブームなんじゃない?」
と応えていた。「昭和にも大正時代を懐かしむようなことがあったよね」と。
先行き不透明で不安な時代になればなるほど、
未来が明るかった(と思われていた)古き良き過去の時代に
想いを馳せるような現象が起こるということなのか。
そこには創造的な目線はあまり感じられないような気もして、
前述した“虚しさ”はそういったところからも感じるのだが、
でもそれはいつの時代にもあって、
特に虚しくなるような必要もないのかも知れない。
(温故知新と言えば聞こえはいいけど、
懐古趣味と言われるとマイナスのイメージだったりして
捉える側によって評価が変わる気もする)
ひとつだけ言えるのは、いつの時代にもいいものはいいし、
悪いものは悪いという本質的な価値判断を、
時代の空気に惑わされないで見極めていきたいということ。
(昭和歌謡の中にもいいものもあり面白くないものもある。
…恐ろしく当たり前のことを言ってるな)
古いものが大好きで、
一見ノスタルジーに浸っているような
こんなブログを日々更新しているような自分が言っても
何の説得力もないかもしれないけれど。
というわけで、
また来年も時代に関係なくいいものを自分なりに見極めて
ここに記していけたらと思っています。
今年1年間、お付き合い有難うございました。
今日のBGM:「帰れない二人」by 井上陽水
↑昭和を代表する大名盤『氷の世界』から、
時代に左右されない普遍的な1曲を。
先日NHK-BSプレミアムで放映された
『井上陽水 ドキュメント「氷の世界40年」』が面白かった。
「心もよう」と「帰れない二人」のどちらを
シングルA面にするかで揉めた話とか、
ロンドン・レコーディング秘話とか。
ちなみに僕がこのアルバムで昔から一番好きなのは「Fun」。
(巷のアンケート調査ではアルバム中最下位だったけど、
リリー・フランキーが好きな曲だと言っていて救われた!)
