現在来日中のブッカー・T・ジョーンズの
トーク・イベントに行ってきた。
イベントの正式なタイトルは
「Talks & Plays Greatest Soul Music with B3 Organ」。
今週から始まるブルーノートでの来日公演に合わせて
プロモーションを兼ねてのイベントだったのだろう、
ブルーノートが経営するオシャレなカフェで
ハモンドB3を弾きながらのトーク・ライヴだった。
これまでの活動を振り返るトークの合間に、
「Green Onions」「Hip Hug-Her」「Time Is Tight」
オーティスの「(Sittin' On)The Dock Of The Bay」、
ビル・ウィザースの「Ain't No Sunshine When She's Gone」など
往年の名曲をハモンドで弾き聴かせてくれたのだが、
ファンキーかつ荘厳な雰囲気も漂うB3のサウンドと、
落ち着いて風格のあるヴォーカルが
とても気持ちいい空気を作りだしていた。
↑「Time Is Tight」を気持ち良さそうに弾くブッカー・T。
肌とかツヤツヤしていてとても69歳には見えない!
メンフィスでのスティーヴ・クロッパーとの出会いや、
LA時代にクインシー・ジョーンズから教わったこと、
近所に住んでいたボブ・ディランにスタジオに誘われ
「Knockin' On Heavens Door」をセッションしたことや、
名曲「Jamaica Song」「Melting Pot」が生まれたいきさつなど、
ソウル・レジェンドらしい興味深いエピソードが連発だったが、
個人的に一番衝撃だった内容は
Booker T. & The MG'sの“MG”って
あのイギリスのスポーツカー・ブランドからとったものだったってことだ。
(それってすでに有名な話?)
スティーヴ・クロッパー、ルイス・スタインバーグ、アル・ジャクソンと
初めてスタックスのスタジオに集まってセッションした際、
さてバンド名をどうしようかと何気なくスタジオの外を見たら、
たまたま前の道路にMGが停まっていたから
MG'sって付けたんだって!
そしたら本家のMG社からクレームが来て、
あわてて「メンフィス・グループ」の略ということにしちゃったんだとか。
(てっきり最初からメンフィス・グループって意味かと思ってた)
ちなみに初めてブッカー・T & ザ・MG'sの音楽を聴いたのは
映画『アメリカン・グラフィティ』を観た中学生の時だった。
確かその「Green Onions」が使われた場面は
朝焼けのドラッグ・レースのクライマックス・シーンだったはずだが、
緊張感溢れるカーレース・シーンのバックに流れるのが
もともとスポーツ・カーの名前を持ったインスト・グループの曲だった
というのは実に理にかなっていたわけですなぁ。
今日のBGM:「Time Is Tight」by Booker T. & The MG's
↑『元春レディオ・ショー』でもお馴染みの
最強グルーヴィー・インスト。
今回のイベントでもこのイカしたフレーズを
(少々抑え気味に)プレイしてくれて最高に嬉しかった。