来週に近づいてきました。
ちょうど1年前のフォー・シーズンズ特集(祝!来日)に引き続き、
再び“しまMOON”氏をゲストにお迎えして、
松尾清憲特集をお送りいたします。
日本人アーティストを単独で特集するのは、
2年前の佐野元春特集以来2度目です。
しまMOON氏は大の松尾清憲ファンで、
松尾さんのライヴ会場で何回か顔を合わせたことがあります。
かなり初期から追いかけてたということで、
濃い話が聞けることと思います。
松尾さん関連のレコードをガンガンかけまくるイベントなんて、
他にどこもやってないですよ(たぶん)。
松尾ファンはぜひこのチャンスをお見逃し無く!
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音楽&トーク・イベント「Good Old Boys」
出演:水上徹/高瀬康一 ゲスト:しまMOON
日時:2013年5月30日(木)Open:19:00 / Start:19:30
入場料:1,000円
場所:Live Cafe Again
東京都品川区小山3-27-3 ペットサウンズ・ビル 地下1F
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ちなみにこのブログでも、
松尾さんが昔やってたラジオ番組『松尾清憲のポップス泥棒』を
何回か取り上げたことがあった(こことかこことかここ)。
その貴重なエアチェック音源を提供してくれたのも
しまMOON氏だったが、かなり前に続きの音源をまた貸してもらっていた。
実は今回のイベントの前にその音源を何回か紹介して
気分を盛り上げようと思っていたのだが、
仕事が忙しくなってしまって更新ができなくなってしまった。
すみません…本ブログでの“ポップス泥棒特集”はまた次の機会に。
ってことで今日のブログは、
松尾清憲の音楽との出会いについて個人的な話を少しだけ。
松尾さんのソロ・デビューには世代的にドンピシャで(シネマは後追い)、
やっぱりきっかけは「愛しのロージー」だった。
テレビのCMからこの曲のサビが流れてきた時、
ビートルズの関連音源か何かだと
一瞬本気で思ってしまったくらいの衝撃だった。
速攻で1stアルバム『SIDEEFFECTS』を買い、
同じ年にすぐ出た2nd『Help! Help! Help!』も
狂ったように聴きまくった。
しかし一番好きなアルバムは
何と言っても3rdアルバム『No Thank You』なのである。
これにはあまり賛同してくれる人はいないかな。
このアルバムがリリースされた年、
受験した全ての美大に落ちて僕は晴れて浪人生になった。
美術予備校がある新宿まで
千葉から2時間かけて通う日々が始まったわけだが、
この『No Thank You』が長い通学時間の
ヘビロテ・アルバムとなったのだ。
(もう1枚が同じ年にリリースされた
コレクターズの1st『僕はコレクター』だった)
浪人という穴の中に落ちた悲劇を
「穴の中で僕たち」で癒し、
総武線の殺人的な通勤ラッシュを「クルエル ワールド」で嘆き、
なかなか巧くならないデッサン技術への焦りを
「ゲット ユー ダウン ブルー」で笑い飛ばした。
天気のいい朝の都会の眩しさの中で聴く
「サニー シャイニー モーニング」は最高だったし、
予備校の隣クラスの可愛い娘のことを思いながら
「ふたつの片想い」を聴いて切なくなったりもした。
まぁ早い話が、青春の1枚なのである。
それも予備校生という、情緒不安定の日々でもあり
未来への(理由なき)希望がキラキラ輝いていた時代の。
未だにこのアルバムに針を落とすと、
松尾さんの曲と、白井良明氏のアレンジによる屈折した音世界が、
あの美術予備校時代のクルエル・ワールドを強烈に思い出させて、
胸の中に妙なざわめきを呼び起こしてしまうのだ。
今日のBGM:「OH! キャロライン」by 松尾清憲
↑そしてアルバム『No Thank You』の中で一番好きな曲はこれ。
シングル・カットはされなかったのに、
当時A&D(AKAI)のGXというステレオコンポのCMに使われたと記憶している。
それまでにもその後にもあまり出て来ない
50'sっぽいロカビリー調で大好きだったが、
シネマ時代に書かれた曲だと後になって知ってなるほどと思った。