『まほろ駅前番外地』が面白い。
もともと直木賞を受賞した三浦しをんの
『まほろ駅前多田便利軒』という小説があって、
それが2011年に映画化され、
更に続編のドラマ『まほろ駅前番外地』が
今年初めにテレ東で放映された。
自分が観ているのは、BSジャパンで日曜の夜に放映されている
その再放送。
色々と話題となっていたみたいだが、
その存在を今の今まで全く知らなかった。
ので、もちろん原作も映画も未体験。
ドラマだってまだ2回しか観ていない。
それだけでハマってしまった。
便利屋を営む二人の男(瑛太と松田龍平)の物語なのだが、
70年代にショーケンや松田優作が出演していたバディ物の青春ドラマと
決定的に違うのは、その恐ろしく冷めた空気感。
物語や設定のテイストは何となく70年代風なのに、
主役2人のやる気の無さ、低体温感がすごく今の時代を象徴していて、
そのギャップが面白いと思った。
ドラマは原作には無いオリジナル・ストーリーだそうだが、
ゴールデン・タイムには放送できないようなヤバめの話も多そうで
そこもハマった理由。
(一昨日放映された第4話では、股を広げた裸の女性の蝋人形を
始末して欲しいという依頼が来る。その蝋人形が作られた理由というのが、
まるで昭和のエロ小説みたいなグロい話ですごかった)
小さい頃に『探偵物語』を夢中で観ていたウチら世代のスタッフが、
(現に演出の大根仁は自分とピッタリ同い年)
松田優作の息子を使ってあの時代の枠組みだけを再利用して、
中身は今の時代の虚脱感、倦怠感みたいな空気を強烈に漂わせる…。
作り手のそんな狙いがビシバシ感じるのだ。
このドラマが月曜夜9時みたいな時間帯で放映されて
視聴率25%くらい取ったら、
テレビというメディアもまた面白くなりそうなのに。
今日のBGM:「まともがわからない」by 坂本慎太郎
↑エンディング・テーマ曲。
ドラマの空気感と気持ち悪いくらいリンクしてて、
最高としか言いようがない。
しかもSHOGUNの感じを今の時代でやったらこんな曲になりそう、
とも思った。